CompTIA Japn
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【現場に聞く】バックナンバー
image 第14回 コア学園グループ image
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このページは、 CompTIA 認定資格のコンセプトにご賛同され、 IT 人材育成において利用をされている企業・学校機関・団体等をご紹介致します。

第14回目は、CompTIA A+のエッセンスをカリキュラムに導入し、『地方における専門学校の役割の再認識とデュアルシステムによる専門学校生の職業観の育成』というテーマに取り組まれた帯広コア学園様を御紹介致します。 今回は、帯広コア学園理事長の神山 恵美子様にお話をお伺い致しました。

快く取材にご協力をいただきました神山様には、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。
御校についてお聞かせください。
コア学園グループは、IT系・医療福祉系の専門学校を中心に、北海道から九州まで全国に10校の学校を設置、運営しています。各自治体と民間企業の協力の下、高度情報化を推進する地域IT技術者の育成や地域の活性化に応えるために設立されました。
今回のプロジェクトについてお聞かせください。
平成 16 年 7 月 12 日から平成 17 年 3 月 18 日までの約 9 ヶ月間、文部科学省からの委託プロジェクトとして『地方における専門学校の役割の再確認とデュアルシステムによる専門学校生の職業観の育成』に取り組みました。
具体的には、主要な IT 産業が地元にない地方都市でのコンピュータ専門学校の存在価値を探り、現場が学校や学生に求めているニーズを整理し、ニーズにあった教育を学生に実施することを目指しています。同時に、デュアルシステム( DS )により企業での就労経験をつませ、学生の就業観を育成し、具体的なキャリア構築をイメージさせることも目指すものの 1 つです。
このプロジェクトに取り組まれるにあたってのきっかけは何かあったのですか?
他県の地方の専門学校でも同じことが言えるかもしれませんが、主要な IT 産業が地元にない地方都市での「コンピュータ専門学校」では、オールマイティな専攻であるがために学生たちの職業観が定まらず、就職活動時に不安を感じることが少なくないといったことが見受けられます。また、受け入れ側の企業から、どのような知識を持っているのかが不明確で採用に結びつけられないというご意見を伺うことや、採用をした学生が期待したスキルを持っておらず離職してしまうといったケースが見受けられることがありました。
こういった懸念から、このプロジェクトに着手をされたわけですね。
そうですね。
企業や学校や学生に対して徹底したアンケート及びヒヤリング活動を行い、抱えているニーズを整理し、ニーズにあった教育カリキュラムを取り入れ教育を学生に実施する。それと同時に、デュアルシステムにより企業での就労経験(=インターシップ)をつませ、学生の就業観を育成していくということを実施しました。これらを通じて、「コンピュータ専門学校」のあり方を考えると共に、学生の職業観を育成することを目指しました。
具体的にはどのようなカリキュラムで学習を進めたのですか。
実施されたカリキュラムは、 2 週間の座学による教育(座学)と 2 週間の企業における就労(企業実習)を 1 サイクルとし、冬休みをはさんで 2 サイクル行いました。

    内容 カリキュラム概要
第一クール 座学(1) ビジネスゲーム演習 会社の流れ、経営やマーケティングの基礎、簿記などの学習の意味づけを行う。プレゼンテーションの向上をはかる。
座学(2) PC管理A CompTIA A+の教材を利用し、OSのインストールを中心にPCセットアップ方法を学ぶ。企業のIT推進担当者となりうる人材の育成。
企業実習 1週間の企業実習 最初の企業実習ということで、基本的な挨拶やマナー、コミュニケーション方法を学ぶ。
第二クール 座学(1) PC管理B 第1クールでできなかったことや重要な部分を復習し、PC管理のスキルを身につける。
座学(2)-1 CADソフト DS企業実習先でCADを使う機会があるため、事前学習としてCADソフトの学習をする。
座学(2)-2 会計ソフト 企業経営の基本となる財務や、業務アプリケーションの基本部分である会計ソフトについて学ぶ。
座学(3) Webの企画から運用まで インターネットをビジネスに活用するためのホームページ制作について、基本と実践を学ぶ。
企業実習 2週間の企業実習 企業の業務を実際に経験にすることで、これから社会人となる上で必要なことを学ぶ。
学生の報告会 学生の実施報告会 学生一人一人が、DSを通じて何を学んだのか、感想と自己評価を踏まえて発表してもらい、学生にフィードバックを与える。
この中で CompTIA 認定資格のトレーニングはどのように活用されたのでしょうか。
第 1 クールの「 PC 管理 A 」というカリキュラムの中で、 CompTIA A+ 取得のためのトレーニング要素をカリキュラムに取り入れました。
本プロジェクトの中では、 CompTIA A+ 認定資格の取得を目指すという目的ではなく、「企業の IT 推進者となりうる人材の育成」のために採用をしました。 演習内容は下記の通り。

「PC管理A」カリキュラム
1.PCのハードウェアの理解
1)テキストの自習
2)テキストによる確認
2.BIOSの理解と初歩的な設定
1)OSのブートプロセス
2)BIOSの設定
3.オペレーティングシステムのインストール
1)ディスクのパーティション設定
  a.DOSを利用した起動ディスクの作成とその利用 
  b.基本的なDOSコマンドの理解と使用
2)必要なドライバーのインターネットでの検索
3)Windows98のインストールと設定
4)Windows2000のインストールと設定
5)WindowsXPのインストールと設定
4.LANのクライアント設定
1)TCP/IPの設定
5.メールソフトのクライアントでの設定
1)SMTPサーバーとPOP3サーバの指定
6.バックアップの設定
1)基本的なバックアップ手法とリストア
2)Windows2000のバックアップツールを使用したバックアップの実行
7.操作マニュアルの作成
 
なぜ CompTIA A+ を採用されたのですか。
写真1
「 PC 管理 A 」カリキュラムは、中小規模の企業や事務所におけるパソコンの基礎的な運用・管理能力を身につけることを前提に、パソコンのハードウェア / ソフトウェア両面の基本的な操作を理解し事務所内における簡単な管理を行えるような人材を育成することが目的でした。
CompTIA A+ は、『クライアント環境の運用・管理業務における、顧客側の理解と適切な環境へ導く能力を評価』するものであるということがこのカリキュラムの目的とマッチしていたからです。
実際の演習はどのように行われたのですか。
コミュニケーション能力の向上も含め 4 人を 1 グループとし、演習を行いました。 これは、企業に行ったアンケート結果で求められる能力として大きなウェイトを占めていた、コミュニケーション能力を育成することも一つの目的でした。

また、この演習の講師は、学内の先生が行うのではなく、実際のビジネスの現場にいる外部の方にお願いをしました。

各グループに提供された環境は、下記の通りです。
【演習環境(1グループあたり)】
演習に使用するPC 1機
インターネットにつなげられるPC 1機
【その他必要な環境】
ハブ 2機

学生には2週間前からテキストを渡し、事前学習を促しました。 教材は、TAC株式会社出版の『A+ Hardwareテキスト』『A+ Hardware実践ガイド』『A+ OS Technologiesテキスト』『A+ OS Technologies 実践ガイド』の4種類を採用しました。 これらのテキストは、説明が詳しいので自習でも学習が可能、ハードウェアの実物の写真やOSの操作説明の画面ショットが多い、実践ガイドの演習内容の内容が吟味されているといった理由から採用を決定しました。
各グループにはどのような課題が与えられたのでしょうか。
各グループには、 PC 環境の設定としては、ハードディスクのパーティション設定から OS を実際にインストールするなどの PC 管理者としては第一歩となる課題が与えられました。 また、ハードディスクについては、機材の関係などのあり教材による自主学習なりましたが、随時テストを行い学生の理解度をチェックしました。 トラブルシューティングは、他の学習課題との関連でパソコンの起動時のトラブルを想定し、ブートプロセスの理解や BIOS の設定についての理解を得ることを学習の目標としました。
どのような演習成果が出ましたか。
写真2
この演習の目標とした、中小規模のオフィスで必要となりそうなパソコン管理技術の最低限必要となると思われる技術の取得については、大半の学生が達成できたのではないかと考えています。 外部の現場の方に講師をお願いしたことにより、学生に新しい刺激を与え、ビジネスの楽しさと厳しさを実感することができたのではないかと考えています。

第2クールに行われた「PC管理B」では「PC管理A」の内容をベースに、実際に顧客へのインタービューを行うなどのロールプレイングを行いPCの設定を行う演習を行い、より実践に近い演習を行いました。
プロジェクト全体の成果としてはいかがでしたか。
本プロジェクトの集大成として3月14日に成果報告会を行いましたが、どの学生も本プロジェクトを通じて自信を持って発表する姿がとても印象的でした。 本プロジェクトを通して得たリサーチ結果やプロジェクトの成果をもとに、今後のカリキュラムやよりよい生徒への指導内容に反映をしていければと思っています。