CompTIA(コンプティア)は、IT業界団体としてワールドワイドでCompTIA認定資格などを通し、健全な人材の育成に貢献しています。


  第1回 BCSA活用インタビュー
自分達が一緒に仕事をしたい人を育てる
〜ビジネスコミュニケーションの共通軸としてのBCSA〜

静岡県の沼津駅前にございます「ワーキング・ヘッズ・アカデミー」様にお邪魔致しまして、ビジネススキルの指導で、ビジネス・コミュニケーション・スキル診断(BCSA)をご利用いただきました経緯など、色々とお聞き致しました。

ご協力いただきました株式会社ワーキング・ヘッズ・アドバンス 取締役の長谷川 森様、株式会社ワーキング・ヘッズ・アドバンス アカデミーユニットの鎌滝 秀樹様、講義を担当されています株式会社テクトニクス 代表取締役の石島 康裕様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

 

ワーキング・ヘッズ・アカデミー 

ワーキング・ヘッズ・アカデミーは、業界・地域貢献を目指すITエンジニア育成学校です。単なるエンジニアの育成ではなく、永続的に活躍・成長できる顧客視点を持ったエンジニアの育成を常に考え教育しています。

http://www.wh-academy.jp

アカデミーを運営していらっしゃいます株式会社ワーキング・ヘッズ・アドバンス様の事業内容と、開講までのいきさつを教えていただけますか?
(長谷川様)
Webの企画開発、サイトデザイン等を事業としています株式会社ワーキング・ヘッズという会社がございまして、弊社はそのワーキング・ヘッズと同じ株主、取締役が運営しています。事業は、ITエンジニアの育成事業、人材紹介事業をしており、ITエンジニアの育成事業で「ワーキング・ヘッズ・アカデミー」を運営しています。
アカデミーの開講は、ワーキング・ヘッズで経験者採用が難しい時期があり、即戦力が無理であれば、社内教育プログラムを体系化して、自分達で育てることを考えたのがきっかけです。また、ワーキング・ヘッズがお取引させていただいている各クライアントに話を伺いますと同様の悩みを抱えていることを知りました。そこで、多くのクライアントとのつながりを強みに、社内教育プログラムの考えを根幹としてもつアカデミー事業を立ち上げました。




株式会社ワーキング・ヘッズ・アドバンス
取締役
長谷川 森様

 
何故沼津に開講することを選ばれたのですか?

(長谷川様)
皆さんに良く言われます。50回くらい聞かれました(笑)。
まず、ワーキング・ヘッズの取締役で、アドバンスの代表である櫻田と私で、以前から開発部隊を環境の良いところに置こうと考えていました。また地域活性化にも繋がることもしてみたかったので、アカデミービジネスも含め、諸々やってみようと考えました。
場所として候補が色々ある中で、東京からあまり離れない、東京と交通の便が良い、穏やかな天候である、等々を考え、検討している時期に沼津の方とお会いしたこともきっかけとなり、沼津に決めました。ですので、ワーキング・ヘッズの開発部隊は、アカデミーの隣にオフィスがあります。

アカデミーの主な講義内容を教えていただけますか?
(長谷川様)
6ヶ月にわたるカリキュラムで、大きくは4ヶ月間の座学、2ヶ月間のインターンシップに分かれます。インターンシップでは、ワーキング・ヘッズの仕事に触れてもらい、最後の1ヶ月間はワーキング・ヘッズで受託している仕事に実際に関わります。最新の業務事情もキャッチアップしていきながら、業務を実際に体験してもらうことで、スキルを磨いてもらっています。

(鎌滝様)
基本はWebプログラマーを目標におき、Javaによるプログラミング基礎から始まり、HTML、PHP、SQLなどを使ったサーバサイドプログラミング実習などのテクニカルスキル、そしてビジネススキルを指導しています。
4ヶ月約400時間の座学カリキュラムのうち、ビジネススキルの講義としては全体の約1割ですが、それ以外に関連する、朝の三分間スピーチ、報告書作成、またインターンシップ期間や日常的な関係者とのコミュニケーションなどを考えますと、テクニカルスキルと同じほどの時間を割いているくらいに指導していると思います。


株式会社ワーキング・ヘッズ・アドバンス
アカデミーユニット
鎌滝 秀樹様

お聞きしていますと、企業内の新人研修のようなイメージですね。

(長谷川様)
もともとが、ワーキング・ヘッズの社内研修プログラムが発端ですし、“うちの会社でほしいエンジニアを育てる。自分達が一緒に仕事をしたい人を育てる。”という考えが根底にありますので、企業内の新人研修にとても近いのです。また実戦経験を積んだ人材については、我々も自信を持ってクライアントに紹介できます。ワーキング・ヘッズが沼津に開発環境があることで、有効にその環境を活用しつつシナジーを生み出せている、と考えています。

受講生の年齢層や受講目的に特徴はありますか?

(鎌滝様)
半分以上は正社員、契約社員、パート、フリーターなど何かしら仕事をしている転職希望者です。そのうち非IT企業出身者は9割程です。特に珍しいケースですと、沼津港の魚市場で働いていた方や、介護福祉士など。大学を卒業してすぐに入学した方もおります。

(長谷川様)
受講生の多くは30歳以下と若い方が多く、皆色々な事情を持って入校してきますが、共通するのは「正社員としてちゃんと働きたい」という強い気持ちを持っていることでしょうか。皆モチベーションが高い方ばかりで、その気持ちに私達も精一杯お応えしています。現在は、首都圏への希望者には100%就職ができています。

実際のBCSAの活用に話を持って行きたいのですが、まずご利用いただいた経緯から教えてください。

(石島様)
私が担当する“ビジネススキル”という授業は5回あり、基本的なヒューマンスキル、コミュニケーション、企画プレゼンと言う流れで進めています。
自分でもいろんな適正検査、ビジネススキル診断をいろいろやった経験があり、アカデミーでもできたらいいなと思っていました。その中でBCSAは、授業目的と非常に関連性があったのと、授業での使いやすさで活用しました。
まず、BCSAの出題される問題がビジネス上の具体的な設定がされているので、仕事をしている立場の考えを教えやすい。どういう風に論理的にかつ戦略的にコミュニケーションスキルを活用するかは、経験が浅い受講生ですから、授業をやらないとわからない。また解答も公開されていませんから、型を学ぶのではなく、スキルを学ばせるには、まさにうってつけのものです。

株式会社テクトニクス
代表取締役

石島 康裕様
テストを受けて、「なるほど、このケースはこうやればいいんだ」と出題されたケースを、パターンで覚えると“型”にはめてしまいます。診断した結果に基づいて、コミュニケーションはスキルであることを体系立てて理解させ、今回はグループワークをしましたが、実践の場を作ることで、応用が利く“軸”が備わると考えました。

BCSAは、仕事を進める上ではベーシックな考えなんですよね。それが使いやすい。

具体的にどのような流れで講義を行ったのか、教えていただけますか?

(石島様)
授業当日までに、個々人でBCSAを受診したもらい、当日結果を持ってきてもらいました。
BCSA関連では二日割いたのですが、一日目はスキルの体系、スキルが使われるケースを私が作成した資料で説明しながら進めました。
二日目ではグループワークを実施しました。一日目で学んだことを理解し、意識しながらコミュニケーションを取ることが目的です。課題を出してグループ内でディスカッションを行い、全体として一つの答えを導き、グループで発表させる。それに対して振り返りを行う。
その振り返りですが、予め全員の結果をまとめて、どの分野の考え方が弱いのかを把握しておきました。今まではビジネススキルに関して強弱をつけることはありませんでしたが、生徒の状況を把握した上で、全体的に低い項目についての気付きを与えられるように進めていきました。(具体的には信頼性、共感性、理論性の順で徐々に正答率が落ちていました。)

振り返りの内容としては、
・ 自分の意見が言えたか?また伝わったかと思うか?
・ 他人の意見に耳を傾けたか?また理解できたか?どのような状況(態度など)が意見を聞き入れられると思ったか?
・ 影響を受けた意見はあったか?誰のどんな意見か?(大きく自分の意見が変わった、気付かされたなど)
・ どのように話し合いをすればうまくいくと思うか?話し合いの進め方としてどうすればよいと思うか?
・ 他のグループの話は参考になったか?どのような話が参考になったか?

これをテーマに振り返り、そしてまたスキル診断の定義をまた出して、気付きを与えました。

振り返りの項目に、共感性、理論性の項目が散りばめられていますね。

(石島様)
言っただけではなかなか難しい。実際にやって、気付かせました。
二回グループワークをしたのですが、一回目と二回目でメンバーもシャッフルし、そして継続的に理解しているかどうかを確認しました。

受講生の皆さんの講義への関心は如何でしたか?

(石島様)
受講生は、このような講義を受けたことがないので、関心も高く、また受講生の吸収も早いと感じました。ただ、時間が経つと忘れてしまいます。講義でビジネス・コミュニケーション・スキルの体系、意識をした活用を行ったので、今後はアカデミーの関係者が日々実践をチェックすることが大事と思います。

BCSAを利用した講義を、今後どのように生かしていこうとお考えですか?

(長谷川様)
私達は毎日受講生と会い、リアルなコミュニケーションを毎日取る立場です。今後は、ワーキング・ヘッズの価値観でのコミュニケーションスキルではなく、BCSAの定義するスキル体系を私達も理解して、受講生の私達に対する接し方にもフィードバックができるようにしていきたいと思います。ここまでもっていくまではまだ時間がかかりますが。
これができてくると、例えば、“信頼の獲得と維持”で、“好ましい印象を与える”という小項目がありますよね。BCSAでは間違っていない、つまり考え方は分かっているのに金髪でツンツン髪が立っている受講生がいた場合、根っこには好ましい印象を与える方法が分かっているのに、“金髪でツンツン頭”が相手に対して信頼情報を発信できるのかどうか、受講生に提起ができます。実践で変わる“スイッチ”を押すことができますよね。
もともとカリキュラムの組み方としても、ビジネス・コミュニケーションの正しい軸を学び、現場がチクチクしつこく言う、というのが狙いです。論理的なものを指導しておき、実践を日々フォローする。継続してどれだけかまってあげられるのかが、鍵です。

本当に手厚いですね。

(長谷川様)
繰り返しになりますが、一緒に気持ちよく仕事をしたい人間を育てる、というのがコンセプトですから!
ありがとうございました。

CompTIAより
社内研修に近い環境と教育ノウハウで、紹介予定企業の希望通りの人材を育成されているワーキングヘッズ・アカデミー様。身に付けたテクニカルスキル・ヒューマンスキルの実践で、雑用としてのインターンシップではなく、“職場”そのものの体験を提供しているところが強みに感じました。
取材中も、“自分達が一緒に仕事をしたい人を育てる”という、受講生の皆様への配慮・思いがとても強く伝わってまいりました。
今後BCSAによって、仕事上のコミュニケーションの“軸”として「見える化」されることで、より効果的な人材育成につながることを期待しています。


最後になりましたが、快くインタビューに応じてくださいました長谷川様、鎌滝様、石島様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
ありがとうございました。今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。



 

 



 
 
 

 

 

 
 

 
 
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