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【ITプレナーズ×CompTIAコラボニュース】第2回:CompTIA Cloudレポート


今回より全5回にわけて、CompTIA Authorized Platinum パートナーのITプレナーズとCompTIA日本支局とコラボしたコラムを配信していきます。全5回の間に、クラウドの市場規模やクラウド時代に求められる人材像、またクラウド人材を育成するために必要な教育についてお伝えしていきます。



 第2回 CompTIA Cloudレポート : 
クラウド導入での取り組みと課題

コストや設備投資などの削減を含め、様々なクラウドのメリットを享受するため、クラウドコンピューティングの導入を検討する企業が増えています。反面、導入を検討しながらも、導入に踏み切ることができない企業も多くあるのが現状です。

今回は、リサーチなどを通し、クラウド導入に際し、どのような取り組みを実施されているかということをご案内させていただきます。


企業におけるクラウドサービス利用の現状と取り組み

クラウドの一般的な認識は年を経ることに上昇傾向にあります。また、回答者の85%は、クラウドについて「肯定的」、または「かなり肯定的」と回答をしており、クラウドの導入についても前向きなことがうかがえます。

肯定的に捉えられている最も大きな理由は、クラウドによりビジネスプロセスを改善することができるという点でした。ITスタッフとビジネススタッフのどちらがクラウドの導入を進めるとしても、ビジネスプロセスを見直し、クラウドで提供されるソリューションを導入することで自社のビジネスプロセスを再検討する機会を得ることとなります。これを裏付けるように、企業規模や企業での役職、職務にかかわらず、どの分野においてもクラウドへの理解が進んでいることがわかります。

また、よく言われていることかもしれませんが、クラウド自体は新しい技術要素ではなく、ITインフラの構成要素としてはオンプレミスのシステムと大きな相違はないといわれています。クラウドコンピューティングの真新しさは、ユーザーエクスペリエンスを提供するための大規模なリソースや、ユビキタスネットワークを活用する能力であるといえます。


CompTIAの調査では、現時点でクラウドを導入している企業の大半は、SaaSと分類されるクラウドサービスを利用していることがわかります。調査に参加した全企業のうち83%が何らかのクラウドサービスを利用しており、このうちSaaSと分類をされないPaasIaaSを利用していると回答した企業は、33%でしかありませんでした。反面、現時点では、企業で必要とされるほとんどのソフトウェアアプリケーションは、オンプレミスシステム上で稼働していることも多く、クラウドで提供されているシステムよりも多く稼働していることがわかります。現在は、様々なAPIなども提供されていることから、オンプレミスのアプリケーションを利用しながらも、必要なところでクラウドアプリケーションを利用している実態も見えてきます。

先程の調査と合わせて考えると、一般的にイノベーター/アーリーアダプターといわれるようなクラウドを初期段階から導入している企業での取り組みが見えてくるような気がします。初期段階での導入企業では、「自社のビジネスプロセスを改善するため」必要となるクラウドサービスの導入を見極め、ITスタッフに限らず、クラウドソリューションを「利用する」ビジネススタッフまでも、クラウドへの正しい理解を進めているユーザーといえるかもしれません。


 

企業におけるクラウド導入の課題


さて、これらの調査から、クラウド導入の課題となる一因が少し見えてくるようです。導入企業の多くが実践していると回答をしている、ITスタッフに限らず企業全体のクラウドへの理解を深めことは、企業内の導入者、利用者両方の立場から必要なことといえます。しばしば、「ローグクラウド(rogue cloud)」と表現されますが、IT部門を通さずに、必要なビジネス部門がクラウドを導入し利用をしていることにより、情報流出などのリスクが発生してしまうことがあります。クラウド以前から、ビジネス部門が必要なアプリケーションソフトを購入し、IT部門を通さずに、これらのソフトを部門内で利用するということは、発生していることでした。しかしながら、クラウドの利用により、「1つのアプリケーション」だけの問題ではなく、「ITインフラやアプリケーションを含めたビジネスプロセス全体」を導入のビジネス部門がコントロールすることとなる場合があります。

 

企業でのクラウド導入を検討される場合、ITスタッフを始め、ビジネス部門のスタッフも、クラウドを導入する上でのメリット、導入のプロセス、そして何よりも導入により発生するリスクを認識した上で、導入を進める必要があるといえます。

 

次の回では、この導入の際に必要となるスキル、人材について、もう少し掘り下げてご案内をさせていただきます。

 

CompTIA Cloud Essentials認定資格
CompTIA Cloud Essentials認定資格は、ビジネス、または技術的側面から見たクラウドコンピューティングの意義やクラウドの導入によるメリット/デメリットを判断し運用できる知識とスキルを証明する認定資格です。詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
http://www.comptia.jp/cont_certif_cloudessentials_cl0-001.html


IT preneurs(ITプレナーズ)
ITpreneursは、ITプロフェッショナルの教育ニーズを支援するため、IT Best Practiceのためのコンピテンシー開発プログラムを提供しています。クラウドコンピューティング、ITサービスマネジメント、IT ガバナンス、情報セキュリティ、プロセス改善、プロジェクトマネジメント等に関する専門知識を所有し、ITpreneursは多様な枠組みと総合的ソリューションに関するガイダンスを提供します。
CompTIA Cloud Essentialsのトレーニングを提供する、CompTIA Authorized Platinum Partnerとして、受講者が学習した知識や原則を持ち帰り、実践でも活用できるシナリオ中心の設定になっているため、学習効果を高めることのできる重要なアプローチとなっています。

CompTIA Cloud Essentialsのトレーニング詳細については、下記よりご確認ください。
IT preneurs : CompTIA Cloud Essentialsトレーニング
 



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