CompTIA(コンプティア)は、IT業界団体としてワールドワイドでCompTIA認定資格などを通し、健全な人材の育成に貢献しています。

ここでは、CompTIA認定資格のコンセプトにご賛同され、IT技術者の人材育成において利用をされている企業・学校機関・団体等をご紹介致します。
image 第2回 専門学校でのITキャリアスキルトレーニング image
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第2回目の今回は、いち早くCompTIA認定資格のコンセプトをご理解頂き、地域のIT技術者育成に役立てて頂いていらっしゃる学校法人穴吹学園様にお話をお聞きします。特に国家試験と「A+」をうまくカリキュラム化されているところは今後検討をされる高等教育機関様への良いご提案となると思います。
1)貴校の事業内容、方針について教えて頂けますか。
穴吹学園は、広島県・香川県・徳島県に計10校の専門学校を有し、約3000名の学生が学んでいます。「地元の学生を受け入れ、地元で教育し、地元の産業界に輩出する」ことを通して地域に貢献することを基本理念としています。また、社会人教育にも力を入れており、上記3県に岡山県を加えて、瀬戸内4県で「穴吹カレッジキャリアアップスクール」という社会人向けの学校を運営しています。
2)中国・四国での貴校の役割について教えてください。
例えば、広島県福山市にある「穴吹コンピュータ専門学校」では、「地元企業のニーズ」を基本として教育カリキュラムを構築し、これまで地元を中心として1000社を超える企業に卒業生を輩出して参りました。IT化に関しても、地元企業との密接な繋がりの中で、企業が必要とする技術スキルやソフトスキルの情報を収集し、教育に反映しています。
また、当校は「広島県東部IT化研究会」という会を通じて、地域のIT化についての取り組みにも参加しています。まだまだこれからという状況ですが、今までの教育ノウハウを生かした、地域に根付いた地域色のあるIT化に協力できればと考えています。
3)地域のIT化において、どのような人材を輩出することが望まれているのか教えて頂けますか。
地域のIT化を推進するリーダー的人材の輩出が強く望まれています。「穴吹コンピュータ専門学校」では、現在「PCサービステクニシャンと呼ばれるパソコン回りに強いサポート人材の育成」に力を入れています。各種OSのインストールからLANの構築/設定、インターネット接続等、多くの企業において日常求められている人材の育成です。
「A+」は「多くの企業において日常求められている」人材を輩出するのに最も適当な指標であり、その内容は特に地域ITリーダーとして必須要件であり、そのスタートラインに立てる人材を多数輩出することが本校の役割の一つと考えています。
 また、穴吹カレッジキャリアアップスクールでは、社会人を対象として毎年約3,000名の方々が、就職・転職を目的とした講座・研修等を受講されていますが、ここでも「IT人材養成」の講座で、ヘルプデスク,サービステクニシャン,ネットワーク技術者等を目指す方が増えているため、「A+」,「Network+」のトレーニングを講座に組み入れています。
さらに、厚生労働省からの委託事業である「離職者向けの就業促進訓練」においても、同様のトレーニングを実施しており、地域が必要とするIT労働者に転換させるという点で成果を上げています。
4)具体的なA+の授業内容をお聞きしてもよろしいでしょうか。
実習にウェイトをおいており、PCの解体や組立,OSのインストレーション,コンフィグレーションを通してデスクトップの構造を理解し、様々なトラブルにも効率的な切り分けノウハウをマスターしながら、自ら考え,触るように進めていこうと考えています。
_ PC概論
_ PC解体実習
_ PC組立実習
_ OSインストール実習
_ コンフィグレーション実習
_ LAN構築・設定実習
_ インターネット接続実習。
5)基本情報処理技術者の勉強の前に、A+をトレーニングされるそうですが、それは何故ですか?
従来実施してきた教育では、ユーザコンピューティング(操作教育)から技術者への大きなジャンプアップが必要でした。本来、技術者へのステップとして、先ず目の前のパソコン構造や周辺機器を含めた対応能力の習得が必要です。これを解決してくれたのが「A+」です。
また、コンピュータのリテラシー教育の導入部分でA+を選んだのは、先ずは「本から学ぶ」のでなく、「実習で学ぶ」ことで「具体的なイメージ」を植え付けるためです。つまり「目」で学ぶのでなく、「手」で学ぶことでしっかりした基礎知識をつけます。A+は「パソコンの解体・組立」に始まり「OSのインストール」「LAN構築」等全て実習で学びます。学生も楽しく授業を受けていますし、授業が具体的なだけに質問も多く出ます。A+でしっかりした「土台を作り」、その後「基本情報処理」につなげることで、合格実績も上がっています。
6)今後CompTIA認定資格でカリキュラム化を進めていきたいものはございますか?
いくつかある中で一つ挙げるとすれば「CTT+」です。今後予想される「PC回りのサポート人材養成」のニーズに応えて、「テクニカルトレーナー」の教育を考えています。当校は既にマイクロソフト社の「MOT」を教育に組み入れ、アプリケーションソフトの操作に関する「トレーナー養成」は実施しています。これとの連携を考慮しながら進めていくつもりです。
年度始めにも関わらず、ご質問にお答え頂き有難うございました。
穴吹学園様は地域のIT技術者育成において、「A+」の要求するスキルをもつ技術者の増加によりITスペシャリストを目指す技術者層に厚みを持たせようと努力していらっしゃいます。このような育成ピラミッドの構築は実際に米国で行われている技術者育成の流れと同じで、ベースとなるスキルの蓄積により、今後の新たな局面や問題解決に柔軟に対応できるよう指導が行われております。中国,四国地区の技術者レベルがより高くなることを期待しております。
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