CompTIA(コンプティア)は、IT業界団体としてワールドワイドでCompTIA認定資格などを通し、健全な人材の育成に貢献しています。

ここでは、CompTIA認定資格のコンセプトにご賛同され、IT技術者の人材育成において利用をされている企業・学校機関・団体等をご紹介致します。
image 第5回 IVY総合技術工学院
-文部科学省社会人キャリアアップ推進事業について-
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第五回目である今回は、大分県にございますIVY総合技術工学院様を御紹介致します。現在文部科学省社会人キャリアアップ推進事業の委託をうけて、大分県内の社会人を中心にCompTIA A+のトレーニングを夜間講座でおこなっております。今回はその講座内容やトレーニングの意義などお聞き致します。取材に御協力頂きました教務部長の大隈昭典様・総務の広瀬由佳様にこの場をお借りして御礼申し上げます。
1)今回の文部科学省社会人キャリアアップ推進事業の目的を教えて下さい。
今回私どもが文部科学省からお受けした委託事業の趣旨は、失業率の悪化など厳しい雇用情勢の中で、離職者等が誇りと生き甲斐を持って専修学校で再就職に向けてのキャリアアップのために学ぶ仕組みを作るため、実践的職業教育・専門的技術教育にノウハウのある専修学校と産業界等が連携し、先導的な教育プログラム開発を推進することにあります。
2)CompTIA A+を提案された理由はございますか?
今回私どもでこの委託事業にCompTIA A+に対応した講座を申請した理由として、本科カリキュラムで取り入れており、申請時点で多少なりのノウハウが存在したこと、また、上述したように社会人への実践的教育と考えると、実践で使える知識の基盤としてCompTIA A+が最適ではないかと思ったからです。A+の学習範囲はITにおける広範囲の基盤です。社会人にとってこれからの職業選択の幅を広げることを考えるならば特化した教育ではなく、新たな職種を選択するための基盤固めが必要ではないかと判断致しました。また、現在IT系の特化した職業に従事している方でも、意外にこういった部分ができていらっしゃらず、そのためにIT系の別職種・別部署で従事することが難しいとの話を伺った為です。
3)研修カリキュラムの詳細を教えて下さい。
今講座は1日2時間の講習時間で25回開催しました。OSとCoreの内訳はOSが12回(24時間)でCoreが13回(26時間)になります。今回の講座で重要だったのが、受講生の理解度のレベルアップでした。そのため、OSとCoreを2週間の交代制で行うことにしました。OSの座学・実習で用語・パーツの働きなどを学ぶことで、Coreに入った時にスムーズにパーツの理解ができ、パーツ名の学習の手助けになり、Coreで実際のパーツを見ることでOSの理解につながると考えたからです。
4)講座を進める上で考慮している点は?
今回の講座は委託事業であり、A+に対応した講座としてしましたが、趣旨は社会人のキャリアアップを考えています。そのため、A+資格試験に合格するための講座としてではなく、あくまでもA+に対応した内容の理解を進めることを目的としました。そこで内容理解のために、実機をさわり、体験することが必要だと考え、実習を多く行うようにつとめました。また、社会人の方への講座ですので、夜間講座としており、時間が制限されてしまいます。2時間の時間内にどれだけの内容を織り込むかに苦労しました。また、実機をさわるためには用語の理解が必要との判断で、OS・Coreを4講座交代で行うことで、受講生のレベルアップを判断しながらの講習となりました。
5)実機研修の詳細と体験談や受講生の感想など教えて下さい。
実機研修としては、OSでインストールから始められる、デスクトップ機を用意。実機1台を受講生2人で講師の説明に沿ってOSの実習を行って頂きました。
Coreでは、1班3人の班編制を行い、それぞれのパーツの組立や、実際のPCの解体・組立を行って頂き、解体用の実機はタワー型・ブック型などの形の違う物を揃えました。また、解体は段階に分け、簡単な解体・組立から、1台丸々の解体・組立を行いました。そして、受講生にとって難しかったのが、わざと故障箇所を組み入れ、作動不能状態にした機械の故障箇所を判断し、作動できる状態にして頂く実習でした。受講生はお互いに情報交換しながら、故障箇所を見つけて行くので、とてもおもしろかったようです。故障箇所も班毎に違い、故障を修理できた班には新たな故障実機に取り組んでもらうことで3〜4台の修理を行った班もありました。また、難しい故障箇所にあたった班などは他班の状況を聞いたり、テキストを読み直したり、頑張っていらっしゃいました。
実機を解体・組立することは、座学で学んだパーツを実際にさわって、設置箇所を実際に見ることになり、座学での学習の理解につながったようです。
ただ、今回の講座で当校としても誤算だった点は、パーツの故障でした。あらかじめ予算を組んで購入したパーツですが、思ったより受講生が壊す頻度が高かったです。特にPCの箱つまりハードの外枠等の損壊が多かったです。ネジを回す等の作業の場合どうしても力一杯にされる方が多く、作業前に特に注意しなければならない点は「力一杯頑張らない!」です。(笑)
6)今後講座を検討される機関に対して、アドバイスはありますか?
講座を受講するにあたって、受講者のスキル基準を定めにくい点を考慮に入れたほうが良いと思います。応募者のスキルレベルの判断を電話で聞いたり、簡単な問題を出して線引きする形で、ある程度PC経験(PC知識)がある方に限らせて頂いたのですが、一定レベル以上かどうかは応募者の判断によるところが多く、最終的には受講生レベルがバラバラになってしまい、生徒のレベルの均一化が図れませんでした。
7)最後に一言ございますか。
従来のパソコン活用講座に加えて、「A+」のような技術講習のニーズも最近高まっている
ように思います。パソコンの活用能力に加え、管理能力を養成する講座がもっと増えることを望みます。
興味深いお話を有難うございました。
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