CompTIA認定資格活用 企業インタビュー
顧客のニーズに対応するため、今後必須となるクラウドスキル
〜沖電気工業株式会社〜

CompTIA認定資格者インタビュー第22回は、「Open up your dreams」のブランドスローガンで知られる沖電気工業株式会社様にお話をお伺いいたしました。

現在、顧客のニーズは、クラウドへのシフトが進んでいます。同社では、これらのニーズに応えるため、さらなる人材のスキルアップを目指しています。

インタビューにご参加いただきましたのは、以下の皆様です。

沖電気工業株式会社
ソリューション&サービス事業本部 
  金融システム事業部 マーケティング部 新事業推進 担当部長 宇田川 則幸様
  情報システム事業部 ITサービス第一部 ITスペシャリスト 藤田 篤史様
  ソフトウェアセンタ 技術第二部 技術第三チーム 塚本 牧生様
  ソフトウェアセンタ 技術第一部 ソフトウェアエンジニアリングチーム 鷲田 淳一様
  ソフトウェアセンタ 技術第一部 ソフトウェア教育チーム チームマネージャ 川田 信弘様

沖電気工業株式会社
社会インフラや通信システム、金融・官公庁の業務システム等を提供する同社では、日本国内はもちろんのこと、中国やブラジル等の新興国へのATMの提供等、グローバルに社会インフラを供給、そして維持するため重要な役割を担っています。マーケットニーズ、顧客ニーズをいち早くキャッチし、そのニーズに対応できるソリューションを提供し続けています。
http://www.oki.com/jp/
 
CompTIA(以下、グレー部分はCompTIA )
今日は、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。それでは、まず初めに、皆さんの現在のお仕事内容や今までの社内でのキャリア等についてお伺いできますでしょうか。

【藤田様】
現在の業務としては、サーバーの基盤部分の導入・提案が主な業務内容になります。特に、現在弊社で提供している「EXaaS」というクラウドサービスですとか、お客様の環境への仮想化基盤の導入といった業務が主になります。入社してからは、元々PCサーバーの技術担当をしていまして、その後PCサーバーのコンサルティング業務や、SEとしてお客様の先での導入等の支援を実施していました。お客様は、割と規模の大きな企業が多くいるかと思います。

【宇田川様】
私は、入社してからずっと銀行関係の銀行業務システムに携わっています。現在は、マーケティング部として、銀行関連の新商品の企画をしています。以前は、SEとしてATMや窓口システム、銀行の社内システムなどの提案業務をしていました。以前に比べて、提案する範囲は格段に増えたと思います。
このメンバーの中では私だけ、提案作業が中心の業務でシステム構築経験がありません。

【鷲田様】
私は、2000年くらいから、社内向けのソフトウェア開発の技術支援という業務に就いています。ここ数年は、社内開発環境の仮想化の構築から運用まで担当しています。それ以外では、プロジェクトマネジメント関連の社内教育等を担当しています。以前は、Windows関連の技術支援がメイン業務でした。基本的には、開発環境の支援になりますので、社内の内部的な業務が多いです。

【塚本様】
私は、現在は、VMware製品を使っての構築をする際の支援等を担当しています。状況に応じて、お客様先にご提案に同行したり、実際に客先で導入したりという業務を行います。以前は、ERP関連の製品や社内SNS等を担当していて、その後、仮想化やクラウドといった現在の仕事を担当しています。

 
資格の話をお伺いする前に、御社がいろいろと提供されている中での、クラウドマーケットの現状というのをお伺いできればと思っています。どのような印象をお持ちでしょうか。
【塚本様】
お客様の状況としては、現時点では仮想化は普通のことになってきました。クラウドは、弊社のEXaaSを導入いただけるお客様も少しずつ増えはじめて来たという感を持っています。提供側としては、すぐに使える形のクラウドーサービスの拡充をはかれていくとよいと思っています。


【鷲田様】
ワールドワイドで見るとクラウドの提供は進んでいると思うのですが、日本ではまだ あまり活用されていないのではという印象はありますね。ただ、既に価格は安くなってきつつあるのではないでしょうか。今後、プライベートやパブリック等、様々な提供形態の中で、お客様のビジネスに適切なものを提供していく必要があると思っています。

【宇田川様】
私が担当している金融系では、オンプレミスによるプライベートクラウドの導入は進んでいますが、外部環境を利用したプライベートクラウドはスタートしたばかりという感じです。金融機関は、やはりセキュリティの要件が非常に高いという印象を持っています。

【藤田様】
そうですね。お客様といろいろとお話をすると、サーバー統合や集約が中心となっていて、パブリッククラウドは、まだ普及していないという印象がありますね。

【川田様】
当社としては、クラウドをどのようにお客様に提案していくか、また普及を促進していくかということに関しては、事業部単位で検討をしていることが多くあります。ただ、どの部門でもお客様とコミュニケーションをする上で、「クラウド」と「仮想化」はキーワードであることは間違えないと思います。
 
ありがとうございます。やはり、クラウドへのシフトは確実に進んでいるようですね。
それでは、今回、皆さんの経験の中からCompTIA Cloud+をご受験いただきましたが、率直なご感想をお伺いできればと思います。
【藤田様】
PCサーバーの技術担当をしていた際の経験があることもありますが、それほど難しいという印象は受けませんでした。冗長化やRAID等なじみの深い出題内容もありましたので、そのような部分については、特に勉強の必要はありませんでした。CompTIAから提供されている出題範囲を見て確認したのですが、自身の経験上、インフラ周りは、割とよく知っている単語が多かったと思います。ただ、それ以外は結構知らない用語などもあったので、インターネットで調べて内容を理解しました。

【宇田川様】
私は逆に、現在までの業務の中で構築経験がないため、なかなか難しい試験だという印象を持ちました。試験内では、トラブルシューティングなどから多くの問題が出題されていたのですが、構築・運用の経験がないため、ちょっと難しかったです。仮想化の構築やクラウド環境の運用など、実務を経験されている方でしたら、ちょうど良いスキルセットの試験なのではないかと思います。

【鷲田様】
問題自体は、実務経験をしている方であれば問題なく解けるような問題が多いのではと思っています。ただ、出題の範囲が少し広いなという印象は受けました。私の場合は、クラウドの構築から運用まで全ての業務経験を持っていたので、そんなに抵抗はありませんでした。でも、今後受験する方が、運用しか携わっていないという方がいるとすると、これ以上難易度が高いと少し難しいかもしれないですね。現在のレベルでしたら、いろいろなフェーズでの知識を補足するという意味で、妥当なレベルかなと思っています。
 
業務の基盤を作ることがCompTIA認定資格の役割なので、クラウドの実装に携わる提案から運用までのスキルの最大公約数となるスキルを評価する様に設計されています。そのため、これ以上のスキルを求めるのであれば、おそらくベンダー各社から提供をされているような認定資格を受験いただくのが妥当なんだろうと思います。
【鷲田様】
なるほど。そういう意味では、試験のバランスは取れていると思いますよ。

【塚本様】
私の印象ですが、難易度としては、提案から運用に携わった自身の経験で言えば、そんなに難しいという試験ではありませんでした。でも、おっしゃっていたように、少し範囲が広いのでどこまで自分がスキルを持っているかを試験前には把握する必要はあるかと思います。また、出題範囲の中では特にうたっていませんが、仮想化やクラウドでは、VMwareとAmazonのクラウドサービスが、運用についてはITILをベースに念頭にあったのではないかという印象を持ちました。今後受験される方の勉強の参考になればと思います。
 

ありがとうございます。
やはり、今までの業務経験によって、だいぶ印象が違うようですね。CompTIA認定資格は、業務経験のスキルを問うものなので、皆様のコメントはとても的確でいらっしゃると思いました。
では、最後になりますが、今後、CompTIA Cloud+をどのような方にお勧めしたいと思われますか。

【塚本様】
本来であれば、クラウドに携わる全員が取得できるのが理想なのでしょうが、なかなかコスト等の面から難しいと思います。実際的には、お客様に提案をする人や、Q&Aを受け付けるような役割の人には取得してもらいたいですね。また、運用や保守などを取りまとめるエンジニアがこういった運用系までカバーした認定資格を取得することで、社内の問題解決の基準ができ、構築〜運用までの業務がスムーズになる気がします。

【鷲田様】
試験自体が、設計・構築から運用まで広く網羅されているので、システム全体を統括するような人材にも必要だと思います。今後、システム開発関連のマネジメントには、クラウドの知識やスキルは必須になってくると思いますので、今まで、クラウドに携わったことのない方々にも勧めたいですね。

【宇田川様】
出題の範囲が広いということを考えると若年層にも取得してもらいたいと思いますね。鷲田さんもおっしゃっていましたが、今後、マーケットに出た際には、クラウドの知識は必要になってきますので、初期段階からクラウドを意識して実務につくことも必要だと思います。

【藤田様】
認定資格試験の内容自体は、お客様と話す上での基礎知識やスキルになると思います。そのため、3年目くらいまでの若年層に取得してもらうのがよいかと思います。

【川田様】
お客様のビジネスとどのように連動させてスキルを育成させていくかということは、大きなテーマではあります。
ただ、先程も申しました通り「クラウド」が、キーワードの1つとなっていることからも、この分野の人材育成には
当社としても取り組みをしなくてはいけないと考えています。お客様との接点のある営業部門には、CompTIA Cloud Essentialsを、また、エンジニアの部門には、CompTIA Cloud+の取得を推進しようかと検討をしているところです。

 
ありがとうございました。