何らかの形でクラウドを利用している企業は90%にもなり、多くの組織がクラウドの次のフェーズに踏み出していることがうかがえる。またそうした際、彼らは、ベネフィットや効率の最適化を目指し複数のクラウドモデルを組み合わせて活用していることが、CompTIA米国本部の調査でわかった。
多くの企業はストレージ(59%)、ビジネス継続性と障害回復(48%)、セキュリティ(44%)といったビジネス過程おいてクラウドコンピューティングを活用しており、既にITの全体設計の一部となりつつあることがCompTIA
第4回クラウドコンピューティング調査で明らかとなった。
「企業が、ITアーキテクチャの基本パーツとしてクラウドシステムを使用する段階に入ると、企業では様々なプロバイダーやモデルを比較検討し、最適な導入実現のため模索し続けます。実際多くの企業では、パブリッククラウドプロバイダーの変更、パブリッククラウドプロバイダーから独自のプライベートクラウドへの移行、アプリケーションをオンプレミスに戻すといった動きが見られています。」CompTIA
テクノロジー分析・市場リサーチのディレクタSeth Robinsonは言う。
CompTIA調査では、クラウドユーザーの6割以上が、クラウド導入という第一転換期を終え、インフラストラクチャまたはアプリケーションといった第二転換期を迎え、また多くの企業が完了さえしていることが分かった。
・パブリッククラウドからパブリッククラウドへの移行:
最も多くみられるパブリッククラウドプロバイダー間のシフト。プロバイダー変更の要因には、セキュリティ、コスト、機能における考慮、オープンスタンダード採用、カスタマサービス強化が含まれる
・パブリッククラウドからプライベートクラウドへの移行: 多くの企業が、仮想化されたリソースをプライベートクラウドとして捉えることがある。プライベートクラウドでは、リソースを自動管理し、人の介入なしに必要に応じた割り当てを行うソフトウェアが採用されている
・パブリッククラウドからオンプレミスへの移行:
オンプレミスシステムを再度採用する主な動機は、セキュリティである。企業では、懸念となるアプリケーションの利用を断念する一方で、依然としてパブリッククラウドプラットフォームでは安全性の低いセキュリティアプリケーションを利用していることもある
エンドユーザーのクラウド移行モデルは以下サイトから確認が可能:
http://www.slideshare.net/comptia/enduser-cloud-migrations
「今後、企業ではオンプレミスシステムとともに複数のクラウドに分散されたアーキテクチャを利用し、特定のアプリケーションニーズに最適なオプション選択を行うようになるでしょう。これは、複数の目的に合わせ構成されたサーバーを置く従来のデータセンターと何ら変わらないのですが、管理面における課題において大きく異なります。業界がマルチクラウドという形態に移行しているため、そうした複雑化に対応し管理を行うといったビジネスチャンスが多く存在するでしょう。」Robinsonは言う。
クラウドモデルがビジネスポリシー手順に与える変化
クラウドコンピューティングが広く普及され受け入れられる一方、多くの課題も存在する。
調達: 必要とされるクラウドソリューションが、IT部門の関与なしに調達することで発生するインシデントは減少しているものの、企業は、ビジネスニーズとITの懸念事項の両面から検討を進めなくてはならない
コストトラッキング: 企業の9%がコストのトラッキングを行っておらず、12%が推定より想定されたコスト削減値より低い現状がうかがえる。高額な使用コスト、社員トレーニング、ネットワークアップグレードが検討項目となる
ポリシー: 3年以上のクラウド導入実績を持つ企業は、ポリシーの変更が大きな課題となっていると言う。ビジネスプラクティスの転換は、技術面における移行と同様に難しいという表れである
CompTIA第4回クラウドコンピューティングトレンド調査は、米国の501のテクノロジー、ビジネスプロフェッショナル(エンドユーザー)と、400のITチャネル企業を対象に、2013年7月にオンラインベースで実施された。
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