CompTIA認定資格活用 企業インタビュー
自分の技術を示すため、「まずはCompTIA A+から」
 

CompTIA認定取得者インタービュー第2回は、金融システムや公共システムなど様々な分野におけるサポートやメンテナンスを行う「オムロンフィールドエンジニアリング株式会社」能力開発部の古田 拓様にお話をお伺いしました。

オムロンフィールドエンジニアリング鰍ナは、新入社員にCompTIA A+の取得を義務付けており、配属前に全員取得されています。

今回は、人材育成部門の立場からなぜCompTIAを採用しているか、CompTIA取得によりどのような効果が出るのかをお伺いしました。

オムロンフィールドエンジニアリング株式会社
工場のFA機器からPCまで様々な分野の保守・管理を行う同社では「HUMAN TECHNICATION」をテーマに常に顧客第一主義で決め細やかなサポートを提供しています。2年連続でコンタクトセンター・アワードを取得するなど高い評価を受けています。
http://www.omron-fe.co.jp/
 
CompTIA(以下、グレー部分はCompTIA )
現在は、御社の中ではどのような仕事をされているのですか。
「能力開発部」に所属し、新入社員の教育から一般社員研修まで全ての研修の企画立案、実運営、外部インストラクタのコーディネートまでを行っています。2年程前から、IT系については、自分自身でインストラクタをやっています。
 
現在、ご自身ではどのCompTIA資格をお持ちですか?
CompTIA A+、Server+、Network+、Linux+を取得しました。現在、Security+を取得するために勉強中です。
 
CompTIAを取得しようとしたきっかけは何ですか?
一つは、社内でインストラクタをするために、まずは自分でどのような資格かをわかっておく必要があるため取得しました。もう一つの理由としては、自分のスキルが果たして、標準スキルとしての指標に到達しているかどうかの確認をするためです。
 
ご自身では取得の際にどのような勉強方法で勉強されましたか?
書籍を購入して勉強をしました。CompTIA A+、Server+、Network+は、TAC株式会社から発刊されている書籍を使い、Linux+は、DAI-X出版から発刊されている「COMPLETEシリーズ」を使いました。
 

それぞれの資格を取得される際にはどのくらいの勉強期間でしたか?

2週間〜3週間くらいの勉強期間です。
資格試験の勉強としては短い期間ですが、元々当社で行っていた「パソコン基礎研修」という研修のインストラクション経験もかなり資格取得の際には役に立ちました。
 
御社では、新入社員に必須の資格としてCompTIA A+を導入いただいていますが、導入されるきっかけは何だったのでしょうか?
元々は別のベンダー資格を採用していたのですが、より実践的という観点からCompTIAを採用しました。
CompTIA資格を導入している一番の目的は、新入社員全体の「ITスキルの引き上げ」です。一定の基準までスキルを引き上げた上で、各部署に「ここまでは知っています」と自信を持って言えるように配属されるように導入をしました。 CompTIAを選んだ理由は、他の試験ではもち得ない指標をはかる資格のため採用をしました。また、短い研修期間の間で実務のベースを身につけることができるような資格を探していたところCompTIAが最適だったからです。
特に当社の業務では、CompTIA A+ Core Hardwareは最適です。Hard関連を取り扱っている資格は他にはありませんから。
 
新入社員の方にはどのような勉強方法を提供されているのですか?
まず、内定式の後に、技術職内定者に対してCompTIA A+のテキストを配布して入社前の学習を促しています。入社後は、インストラクタが教える座学の講義に出席をしてもらいます。ベースはTAC株式会社の教材を使っていますが、テキストも全て社内で作っています。講義では、ゲーム感覚で勉強できるように、前日で教えたトラブルを実際に起こしておいてトラブルを解決したりしてもらっています。意外に、いい勉強になるのは、「自分でトラブルを起こしてもらう」ということなので、勉強したことを基にトラブルを作り出してもらうといったことも行っています。
当社では、入社後半年以内には全員取得することを義務付けていますが、平均入社後2〜3ヶ月で取得をしている社員が多いようです。今年は、6月の時点で100%の取得率でした。
 
なるほど、そんな勉強方法もあるのですね。新入社員の方は、皆さんITに結構詳しい方が多いのですか?

そんなことはありません。
エンジニアとして採用する新入社員のほとんどが理系出身なので、パソコンを使ったりという経験はあると思います。しかしながら、それをそのまま仕事として活かせるわけではありません。当然ですが、仕事として「IT」を知らない新入社員がほとんどです。詳しいと言っていた人ほど、CompTIAの勉強をするとできないことが多かったりしますよ。

 
実際に取得した新入社員はどのような感想が多いですか。
一番多い感想は、「受かってよかった」ですね。(笑)
自分が勉強されたことが一つの証明になることは、みんなうれしいことと感じてくれるようです。勉強の成果として資格を取得することは、達成感があるようです。
ITが嫌いといっていた新入社員が、CompTIA A+取得後に「次は何を受けたらいいですか」と聞いてきたりすると、インストラクタとしてはうれしいですね。一つの目標を達成したことで、次の目標に対する意欲がわいてきたのでしょう。
 
それはうれしいですね。実際に新入社員の方が業務についてから効果は出ていますか?
昨年の新入社員にアンケートを取ってみたのですが、実は、資格を取得している段階では「なぜこの資格を取るのだろう」ということをわかっている人はほとんどいません。そのため、「資格を取得してよかったか」の問いには、良かったという感想はありますがそれは取得の達成感から来るものだと思われます。しかしながら、同じメンバーに実務についてから6ヶ月後同じ質問をしてみたところ、「取得してよかった」「業務にとても役に立っている」という感想が増えてきます。
実際に、業務に出てみて、資格取得で勉強したことが役に立ってきているのでしょう。
CompTIAの内容にそった社内トレーニングを受けて、資格を取得すれば、トラブルシューティングは怖くなくなりますよ。それに、現場でどんな機種が出てきても平気になります。
 
今後御社ではCompTIA認定資格に対してどのような取り組みをされていかれる予定ですか?
新入社員の教育としては継続的に使っていく予定です。
また、全エンジニアのスキル指標の一環として取り入れていこうか検討中です。
 
ありがとうございました。
 
CompTIAより
自らインストラクタを務められる古田様が、CompTIA資格の意図を大変ご理解いただき、新入社員の方にしっかりと伝えていただいているからこそ新入社員の方々が実業務に出た際に役立っているのではないでしょうか。
CompTIA認定資格では、「仕事としてのIT能力」が評価されます。
新入社員の方々のようにまだ仕事に就いていない場合、CompTIA認定資格の意義がわからず取得というケースもあるようですが、実業務に就いた際にはその重要性を感じていたけることと思います。

最後になりましたが、快くインタービューに応じてくださいました古田様にはこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。