CompTIA認定資格活用 企業インタビュー
「顧客環境の理解」と「ITの原理原則の知識」をベースに顧客満足度UP
 
CompTIA認定資格取得者インタビュー第4回は、リコー製品の販売を始め、システムの保守やアフターフォローなどトータルな提案を提供する「リコー販売株式会社」埼玉事業本部 システムソリューションセンター NS推進室 ネットワーク支援三グループのCompTIA A+、Network+、Security+の3つの資格を取得されているリーダー 長谷川 隆行様、担当係長 関根 恵一様、担当係長 小林 ひろみ様、主任 藤沢 芳章様、丸山 真一様、安波 慎児様にお話をお伺いしました。

様々なIT環境下で業務を進める顧客の中でサポートを行うにあたり、顧客環境を理解することの大切さ、そしてその中でCompTIA認定資格がどのように役立っているかについてお伺いをしました。

リコー販売株式会社
首都圏を中心にハードウェア、ソフトウェアを含めた導入提案からセッティング、保守・運用まで顧客のIT環境に関する様々なソリューションを提供されています。「お客様の価値を創造する 世界一のValue Provider企業」をビジョンに掲げる同社は、「顧客」を第一にサービスをご提供されています。
http://www.r-hanbai.ricoh.co.jp/
 
CompTIA(以下、グレー部分はCompTIA )
主な業務内容についてお教えください。
(長谷川様)
中小企業を中心に業務アプリケーションの絡むサーバやクライアント環境の導入時の提案から納入、アフターフォローまでを行っております。

導入時の商談支援の際にも当社の営業と一緒になりお客様に様々な提案をしています。業務範囲はかなり広く、また、業界に特化して業務を行っているわけではなく、様々な業界のお客様のIT環境の支援を行っています。
 
お客様の具体的な問い合わせ内容など挙げて頂くと、どのようなものになりますか?
(丸山様)
会社によっては、あまり詳しくないお客様ばかりの会社 もあり、私たち自身がその企業の「システム管理者」になってい るケースもあります。そのため、お客様に詳しい説明をするため にはITの原理原則を押さえていることが必要になってきます。
もちろん時流もありますのでベンダー資格のような知識は引き続き 必要とは考えていますが、ITの原理原則を確認するという部分ではCompTIA認定資格の知識を利用しています。
(関根様)
私たちの仕事は、商品を売ることではなく、トラブルの発生したお客様のところに行き、行ったら必ずトラブルを解決しなくてはいけないということが求められます。そのため、ITの原理原則の知識をベースとした応用力が必要となります。ITの原理原則の知識がなくては応用をしていくことができないので、このITの原理原則の知識については、CompTIAトレーニングで再確認することができました。
A+、2科目でクライアント環境、Network+でネットワーク環境、Security+でセキュリティの知識を全員が身につけることができたのではないかと思っています。
 
様々な環境に対応していくためには製品の知識よりITの根本的な知識が必要になってくるのですね。
(丸山様)
お客様は、製品に特化して聞かれるのではなく、例えば、セキュリティに関して言えば、ある製品のどの部分という風に聞かれるわけではなく、「セキュリティってどういうものなの?」「セキュリティ対策はどうしたらいいの?」という風に聞かれることの方が多いため、製品のみの知識を勉強したのでは、このような質問に答えるときに困ります。
(関根様)
今までは、現場で対応していたことを、CompTIAで得たITの原理原則の知識を勉強することによって、個々の対応時間は短くなったという実感があります。
また、社内では、グループの全員がCompTIAを取得していますので、知識を向上したことにより、全体の対応時間は短くなり、また品質の統一という意味でも同じ品質のサービスを提供することができるようになりました。
 
具体的に業務での効果は何かありますか?
(長谷川様)
営業活動はサポートとして活動をするため、業績として売り上げが伸びたなどの効果が直接表れるわけではありませんが、現場での対応時間が短くなったり、お客様に詳細な説明ができるようになったりしています。
(小林様)
A+ Core Hardwareのトレーニングでは、実際の部品など細かいものを持ってきていただき、どういう仕組みなのか、どのような役割を持っているかなどの説明を受けました。
その際の知識が、業務上では、実際にお客様に行った際に、見た目はOSが立ち上がらないといったトラブルなのですが、Hard自体の動きにおかしなところがあるなどの判断をつけられるようになりました。
社内のトレーニングなどでも知っていた知識だったのですが、改めてトレーニングを受けることであいまいな知識を整理することができました。トレーニングを受けて今まで持っていたばらばらな知識がつながったという感じを持てました。
(丸山様)
何かトラブルが起きた際に今までは、トラブルを解決するために例えば5つの方法を試してみたりしていましたが、CompTIAの資格を取得したことによって、その中のいくつかは消去することができ、3つ方法を試しトラブルを解決できるようになるなど、確実に作業時間の短縮はできていると思います。
(関根様)
グループ内では用語が共通化できるようになりました。これにより意思疎通がスムーズになって、作業効率も上がったと思います。
また、商材を探す意欲もできてきました。お客様の環境にあった製品を提供するため、どの製品を選択したらいいのか、またスキルを上げたことによって、私たちのグループでしか提供できないような商材を見つけられればいいなと思っています。
(長谷川様)
セキュリティは難しい単語が多かったのですが、Security+を取得することにより単語自体を理解することができるようになり、実際の商談の中などでも話せるようになりました。グループ内でも勉強会を行ったりするのですが、その際もみんなが出てくる単語は理解ができているのが現状です。
 
お客様もかなりセキュリティという単語には敏感になってきていると思いますが、これらがきちんと話ができるというのはお客様とお話する上では大きいのではないでしょうか。
(関根様)
お客様も最近では、かなり色々と調べていらっしゃるので、お客様が言っていることを理解することができる、またはわからないことが出ても調べれば分かるということが多くなってきました。ITの原理原則が分かってないと調べても理解できないことが多いと思いますが、調べればお客様にきちんと理解をしてもらえるような話までできるようになりました。
(丸山様)
トレーニングを受ける前は、よくセキュリティ対策が必要といわれますが、「なんで必要なのか」が分からなかった。そのため、お客様にもセキュリティ対策をしないといけませんねという対応しかできなかったが、なぜ必要かという一歩踏み込んだ説明をお客様にすることができるようになりました。
(安波様)
具体的な例では、無線LANを組みたいですというリクエストがお客様から出た場合には、どのようなセキュリティ対策をすればいいのか、規模などから判断し説明してあげることができるようになりました。
 
それはお客様の安心感はぜんぜん違いますよね。
顧客満足度というのは確実に高まっているのではないでしょうか。
(丸山様)
ベンダー資格は試験での日常の業務と関係のない問題なども出題されることが多いですが、CompTIAの問題は、日常業務にそくしている問題が多いと感じました。
例えば、日常で業務をこなしていれば特別な勉強をしなくても回答できるような問題も多く含まれているという印象があります。
(藤沢様)
現在は、独学で勉強をしてServer+を取得しました。
問題集と模擬試験を一通りこなして受験をしました。日常業務に近い問題も多かったので、勉強しやすかったです。
(関根様)
講師の方のスキルがとても高かったので分かりやすい説明をしていただけました。かなり詳しいことまで教えていただけたので良かったです。かなり実務経験を積まれた方が講師をしていらっしゃるんだなという印象を持った方でした。
(長谷川様)今まで実施されていたリコー内部のアセスメントテストがあるのですが、この出題されている内容がロジックとして分かるようになりました。そのため、暗記をするのではなく、理解をした上で回答をすることができるようになりました。
 
今後は、どのようにより役立てて行かれたいと考えていますか。
(長谷川様)
身につけた知識を元に、より具体的な商品に落として提案できるようになっていきたいと考えています。現在、各エリアのマネージャにお客様の間でセキュリティという声が高まってきているが、何が困っているのか、というアンケートを取っている段階です。具体的に、市場調査を行った上で、環境に合う製品をご紹介していけるようにできればいいと思っています。
(丸山様)
中小規模の企業では、セキュリティに関しての意識は最近高まってきているので、様々な提案ができるようになりたいと思っています。
 
ありがとうございました。
 
CompTIAより
お客様の様々なIT環境に対して適切な提案やトラブルシューティングを行うためには、「幅広い知識」が必要なことはもちろんのこと、「お客様に対してきちんと説明できる」というスキルも必要になります。
お客様のIT環境も知識レベルも様々です。お客様の知識レベルに合わせて、「なぜ必要か」「どのようにトラブルを解決したか」などを説明するには、ITの原理原則を理解した上で、顧客の環境に合わせた提案ができるスキルは不可欠なのではと考えます。
最後になりましたが、快くインタビューに応じてくださいました長谷川様、関根様、小林様、藤沢様、丸山様、安波様、また本インタビューの実現にご協力を賜りましたリコー・ヒューマン・クリエイツ株式会社様には、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。