CompTIA認定資格活用インタビュー

新たな価値の創造に向けて、着実な人材開発体系を〜CompTIA Network+満点エンジニアも登場!〜
〜富士ゼロックス東京株式会社〜

CompTIA認定資格取得者インタビュー第11回は、先日中期事業計画の達成に向けた人材育成の運用を開始された富士ゼロックス東京株式会社様にお話をお伺い致しました。プレスリリースの内容から一歩踏み込んだこともお聞きしております。


富士ゼロックス東京株式会社  ドキュメント・サービス・アンド・サポート本部 サービス企画統括部 サービス営業力強化推進部の福士 知行 様、高梨 規彦 様、開地 洋志 様、サービス管理統括部 技術サポート部の神崎 賢太郎 様にお話を伺いました。

<2008年1月30日付け ニュースリリース>
富士ゼロックス東京株式会社 サービス職約1,000名の必須資格をCompTIA認定資格で一本化
〜中期事業計画達成に向けた計画的人材育成の運用を開始〜

 
CompTIA(以下、グレー部分はCompTIA )
皆さんの業務内容を教えてください。

【福士 様】
ドキュメント・サービス・アンド・サポート本部 サービス企画統括部 サービス営業力強化推進部のエキスパート人材開発課は、一昨年6月から立ち上がった組織で、中期事業計画に基づいたサービス部門のプロフィット化を実現しお客様へより高い価値提供を実現できる人材開発の体系化を行っています。現在は、研修開発、実行も含めてミッションとしており、新卒、キャリア入社社員への研修も担当しています。新卒教育では、技術基礎を神崎さんにも講師として立ってもらっています。

【神崎 様】
技術サポート部 1課に所属しており、東京ブロック(東京23区、多摩、神奈川、千葉、山梨)でお客様に保守サービスを提供するカスタマエンジニア(CE)の技術的なサポートをしています。CEが技術的に分からない場合に電話をもらい、必要な案件は現場同行も含めてサポートしています。また、開発などへのエスカレーションも行っています。お客様から見ますと2次サポートになりますね。トラブル対応からクレーム対応まで致します。

 
エキスパート人材開発課の皆さんの簡単な職歴を教えて頂けますか。

【福士 様】
入社後CE、コールセンター、FAXブランチ・サポート・スペシャリストといいます専門職(販売促進及び保守のサポート)、技術サポートでテクニカルスペシャリストを8年、その後3年半現場でサービスマネージャを経験しました。
弊社ではCEしか経験していない方が多いのですが、私自身は幸いなことに様々な経験をすることができ、現状の役割に役立っています。

【高梨 様】
入社後、16年間CEをしていました。その後、スタッフとして富士ゼロックスグループ統合のプロジェクト推進を担当し、現在に至ります。現場側と管理側の視点から現在の職務を遂行しています。

【開地 様】
入社後、旭川で7年、札幌10年CEを勤めた後、労働組合の書記長として全く違う道に3年間席を置きました。組合の専従は、経営層、部門のトップとの折衝、組合員の合意形成をつくるなど、現場では得ることのできない経験をしました。本当は現場に復帰する話もありましたが、今までの経験を活かす意味で、人材育成に携われる場所を選びました。

 
実にバランスの取れたメンバーでいらっしゃいますね。机上の空論ではなく様々な視点から根拠ある体系作りに皆さんの経験が役に立っているのですね。
それでは、今回の人材開発体系の作成にあたっての背景を教えてください。
人材開発施策の作成に当たっては、お客様がCEに求めていることと、協業する営業部門や開発がCEに求めるものの棚卸をしました。その結果、お客様の業務における課題や、製品を取り巻く情報インフラ環境に関する有益情報の獲得に対する期待・要望、各部門との連携不足が、多く挙がってきました。

これを背景に、よりお客様に対し“新たな価値の創造”ができること、そして協業する各部門と相乗効果を生み、より大きな効果を得ることができる体制の構築が必要と考え、人材開発の方向性として掲げました。
弊社ではセールス部門については人材開発体系が策定され実行しておりましたが、サービス部門は統合直後でもあり確立できておりませんでした。今後のキャリアパスを踏まえ、サービス独自の人材開発体系ではなく全社の人材開発体系に合わせて策定しています。現在では実行段階に入ったというところです。

資格取得に関しては福利厚生の一つとして自己啓発を支援することは従来からありましたが、今回は、お客様の環境変化に対応できるよう必要な資格をあらためて選定し、業務支持と自己啓発で計画的な育成を実現したいと考えております。
 
人材開発体系の基本的な考え方を教えてください。
複写機業界は、非常に大きな変革期を迎えています。複合機などのデバイスが、お客様の様々な業務に入り込んだサービスを提供することができるまでになっています。そのためにも資質、専門性の向上、お客様との関係を高めていかなければなりません。

「資質」の部分ですが、まず製品と結びつくお客様の環境を重視し、お客様にも分かるスキルの客観化を考えました。お客様へ提供する製品が進化する中、ネットワークやサーバ、セキュリティなどは、デファクトでどれでもかかわってきます。これらの領域をサービスの視点に立ち、作られているものとしてCompTIA認定資格の名前が挙がりました。米国ゼロックス社での実績も聞いていましたし、富士ゼロックスの意向もある中で定量的に社内外で総合的なソリューションサービスを提供する姿勢、そして強みを表すことができるものとして有用と考え、CompTIA認定資格を必須資格としました。現在、一般CE層にA+、PDI+、シニア中堅層にNetwork+、Server+、Security+、組織、専任(マネージャ領域)層にCDIA+、Project+を位置づけています。
 
運用はどのように行っていくのですか。
半期ごとに上司から役割遂行の評価フィードバックを行い、新たな半期の役割のすり合わせを行うのですが、その際に人材育成の観点で今後求められるスキルについて調整を行います。12月と6月の年2回実施し、上司から業務指示という形で、計画的な育成につなげられるようにしています。ちなみに、この必須資格は、教材や研修費、受験料も2回までは会社が負担します。もう既に600名を超える規模で取り組みが開始されています。
 
資格の選定に携わったのが、神崎様ですね。
Network+の受験で満点を取られたそうですね。日本支局に在籍して7年になりますが、Network+で満点を取られた方は、私が知る限りでは神崎さん一人です!

【神崎 様】
私の場合、入社して5年間、一般的な複合機の保守エンジニアを経験した後、社内でPC及びネットワークのマルチベンダーサービスに関する人材強化の流れでスキルを習得しました。その後、マイクロソフト社系のCE、アップル社のMACの出力構築、DTP系のお客様に対する保守サポートを経験しています。LinuxもUNIXもあとNetwareも一通りのネットワークOSについての根幹となるものは業務で経験し、理解しています。
Network+は、ある領域や機能に特化しているのではなく、ネットワークの根幹となるものを聞いてきますし、またサービスを提供する上で客観的に答えられる問題が多かったですね。
これらを証明するトピックとして、自社スタッフでCompTIA認定資格の取得率が高い地域は、低い地域よりも商談の受注率が高い傾向にあります。競合先と比較されても、その技術力の証明で受注ができています。

 
御社の人材開発の視点で、受験頂いたと思いますが、その点では如何でしたか。
【神崎 様】
現在の私たちのサービスで必要なのは、複合機の導入だけでの解決ではなく、お客様の業務と連携することと考えています。しかし、このサービスを提供できるのは一部の人間に限られています。ネットワークやサーバ、セキュリティの知識を強化できれば、もっとお客様の環境を理解でき、お客様への具体的なソリューションが見えてきます。
お客様の見る目も変わってきていまして、上記のようなサービスを提供してくれると思っています。ですので、できない人は行かなくなってしまいます。裏づけがないから、行かなくなる訳で、そこを強化してあげることで、仕事の幅を広がっていくと思います。そこで、CompTIA A+から、Network+、Server+、Security+など実際に受験し、この思いに応えるに相応しいものか、評価をしました。
 
最後に一言お願いします。

経験だけで片付く仕事はいくらでもあるのですが、“新しい価値の創造”に向け、CE全員が成長する機会を逃すことなく掴んでいただきたいと思っています。また、この必須資格で基盤を作り、その後CEとしての専門性を高めていき、お客様の生産性の向上に貢献していきたいと思います。
“お客様サービスをきわめる” お客様から永続的に評価をいただけるサービスを目指して取り組んでいきます。

 
ありがとうございました。
 
CompTIAより

少し前まではスタンドアローンでプリントアウトしていたのが、今となってはネットワークやサーバ、セキュリティ機能を備え、業務システムとも連携を行うまでに成長した複合機などのデバイス機器。まだまだお客様先ではその機能を使いこなしてはいないはず。皆さんのスキル向上が、多くのビジネスチャンスをつかむことは間違いありませんね。今後の富士ゼロックス東京様のご活躍に期待しています。

最後になりましたが、快くインタビューに応じてくださいました福士 様、高梨 様、開地 様、神崎 様には、この場をお借りして御礼申し上げます。
ありがとうございました。今後の益々のご活躍を心よりお祈りしております。