CompTIA(コンプティア)は、IT業界団体としてワールドワイドでCompTIA認定資格などを通し、健全な人材の育成に貢献しています。


ネットワークスキルと認定資格の重要性を検証する(CompTIA本部記事より)

関連情報
 CompTIA Network+
はじめに

企業による、仮想化、VoIP、ワイヤレスといった新技術に対する投資が高まるにつれ、ネットワークの専門的知識がさらに重要視されている。ネットワークスキルは、アプリケーション、ストレージ、セキュリティそしてアクセス制御といったデータセンターの重要な機能を管理するうえで基礎として見なされるため、有効なスキルとされている。多くの調査では、特にワイヤレスネットワーク運営、ネットワーク管理、テレコミュニケーションサポートにおいてネットワークスキルに顕著に高い需要がみられ、今後数年間において成長する見通しを示している。

当調査の実施方法

この調査は、CompTIA実施の調査およびウェブアンケートの結果を基に作成されている。CompTIA調査では、「IT人材におけるスキルギャップ」「SMB市場で大きな機会を提供する技術の特定」「情報セキュリティのトレンド」「テレコミュニケーションのトレンド」「CompTIA Network+認定資格報告書」「ITトレーニングとCompTIA認定資格の価値」などが調査され、ウェブアンケートでは、「リモート社員」「ネットワークの懸念事項」「ワイヤレス技術」などの題材が含まれ調査が実施されている。

高まるネットワーキングスキルの重要性
ネットワークスキルは、ITプロフェッショナルや企業にとって絶対不可欠である。企業のネットワークに関する懸念事項には、ネットワークデータの保護、ネットワークサポートの品質、ワイヤレスサポートが含まれる。ネットワークスキルの欠如により、企業には脅威がもたらされ、セキュリティ違反により、収益や市場シェアの損失、企業に対しての評判の低下、ダウンタイムから生産性の損失が結果として伴う。しかし、企業がネットワークスキルを持つことの重要性を強調する一方で、ITプロフェッショナルに見られる実際のネットワークスキルの欠如が報告されている。「IT人材のスキルギャップ」調査では、多くの企業がセキュリティ/ファイアウォール/データ保護、VoIP、ワイヤレスに関するスキルが不足していると報告されている。

テレワーカー人材とセキュリティ
< テレワーカー人材のワイヤレススキル>
従業員の流動性やや分散化といった傾向が増えることとなり、企業のIT部門はより複雑なセキュリティガイドラインの作成が必要となった。CompTIA本部のウェブページ上のアンケートによると、アンケート参加者1239名のうち、72%の企業がリモートスタッフが存在すると回答している。テレコミュニケーションに関するCompTIA調査では、アメリカ企業におけるこの数字は80%近くにもなる。また、カナダやイギリスにおいても50%近くの企業が、勤務時間の一部分であろうと在宅勤務をしている社員が存在すると回答している。社員にネットワークへのリモートアクセスを許可する企業が増加するにつれ、データ保護やセキュリティが必要不可欠となっている。特にセキュリティ、VoIP、ワイヤレスに関連するスキルは、リモートスタッフを多くかかえる企業にとってより重要とされる。ITスキルに関するCompTIA調査では、今後5年間において急成長を見せるであろうスキルに、企業はワイヤレス技術を挙げている。CompTIA本部のウェブサイト上で実施された1312名が参加したアンケートでは、近い将来に企業が強化する、または強化する予定があるとしている特定のワイヤレス技術は、802.a/b/g/n、VoIP、ワイヤレスLANであった。
図1:組織における重要視されるネットワークスキルの項目


<セキュリティスキル>
リモートスタッフの増加と共に、セキュリティが大きな懸念事項となっている。ネットワーク認定資格に関する調査に参加した企業の4分の3の企業が、セキュリティは最も重要なITネットワークスキルであると回答している。さらに、CompTIAの2008年度ITセキュリティ調査では、2007年度の調査結果より多くの中小企業がセキュリティ違反の影響を受けているという結果がでた。企業に蔓延している脅威として、スパイウェア、ウイルス、ワーム、ユーザー意識の欠如などがあげられている。調査ではまた、そうしたセキュリティ違反の約60%が、人為エラーによって引き起こされていたことがわかった。さらに、特定スキルの「重要性」と「実際の能力」の調査で大きなギャップが見られる分野はセキュリティであった。

IT認定資格の重要性

多くの企業では、社員のITスキルの確認や、将来社員になりうる人材のスキルを査定するためにIT認定資格を活用している。調査参加者の4分の3以上(77%)が、IT認定資格は企業必須の基準として取り入れられるべきであると回答している。

<ネットワーク認定資格のベネフィット:受験者にとって>
IT技術者はネットワーク認定資格を持つことで多くのベネフィットを得る。資格取得によって自身のネットワークに関する知識を証明し、雇用機会を高めるだけではなく、給与や業務の向上、社内昇進へとつながることが多い。調査参加企業の78%が社員のスキルセットを確認するためにCompTIA認定資格を活用し、約半数の56%がCompTIA認定資格を雇用の際の重要要素として見なしていることがわかった。さらに、IT企業の53%が認定資格を所有する社員は(所有しない社員と比較して)給与が高いことが報告されており、約4分の3(74%)が、認定資格を昇格の際の判断要素として扱っていることがわかった。

<ネットワーク認定資格のベネフィット:企業にとって>
認定資格を取得することにより、社員および内定者の持つスキルを確認するだけでなく、社員がネットワーク認定資格を所有することで、ビジネスパートナーやクライアントとの関係の向上を促し、最新技術に対応する能力を強化し、様々な状況に対応することを可能とする。
CompTIA認定資格の重要性を確認するために実施した調査に参加した692のIT技術者および274のマネジャーのうち、半数以上(53%)がCompTIA認定資格を所有する社員は、ビジネスパートナーやクライアントへの信頼が高く、企業成長に貢献していると確信している。またCompTIA認定資格を持つ社員に対して、難易度の高い問題をよりうまく扱うことができる、技術における変化により敏速に対応できる、顧客からのクレームに対して自信を持った対応ができる、と評価している。社員のCompTIA Network+認定者率が高い(75%-100%)企業と、認定者率が低い(0%-50%)企業を比較したところ、後者のネットワークダウンタイムの発生が高いことがわかった。

図2:CompTIA Network+認定者率の高い企業と、低い企業を比較した時の「ネットワークアップタイム」


さらに、CompTIA Network+認定者率の高い企業は、より大きく複雑なネットワークを効果的かつコスト効率に運用することができる。CompTIA調査では、そうした企業のIT技術者は平均して一人当たり264PCをサポートできるのに対して、Network+認定者率の低い企業のIT技術者は平均して181PCのサポートに留まった。従って、より少ない数のIT技術者での管理が可能なため、企業はコストを削減することが可能となる。

図3:CompTIA Network+認定者率の高い企業と、低い企業を比較した時の
「社員一人が管理することができるPCの数」

まとめ
最新技術の発展、次第に増加するテレワーカー人材、より強固なセキュリティ対策のニーズといった理由から、企業におけるネットワークスキルを持つIT技術者のニーズは顕著に高まってきている。CompTIA調査では、セキュリティ、ワイヤレス、VoIPといった分野でのネットワークスキルの重要性が明らかとなった。また、従業員の分散化が進むにつれ、企業ネットワークをよりセキュアにする必要性が増加している。企業が自社のIT人材を強化する一つの方法として、ITネットワーク認定資格の取得を義務付けることがある。IT人材の認定資格取得を必須とした企業は、高い投資利益率を実現しており、より高い生産性の業務を実行することで、ネットワークアップタイムの上昇、質の高い従業員、ビジネス関係の向上といった結果をもたらしている。



 

 



 
 
 

 

 

 
 

 
 
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