ITは、多くの人々が仕事に関連していることも含め、既に「縁の下の力持ち」という業務ではなくなってきている。Gartnerから提供されている「
Gartner’s Leading in Times of Transition: The 2010 CIO
agenda」レポートを含むいろいろなレポートでは、全世界の企業のIT部門が、新しいシステムやソフトウェアの開発やコスト削減、生産性の向上や業務改革の推進、問題解決に先駆けた新しい取り組みや顧客へのサービスの向上などにITがどのように関連していけるかについて発表されている。新しいテクノロジーを活用することにより、新しいビジネスチャンスを生み出すことができます。ITを利用した技術革新は、国家経済を成長させる重要要素となる。
これらのデータ分析を活用することで、市場におけるビジネスチャンスを増やし、競争力のある有利な立場を作り出すことができる。かつては高価な製品であったビジネスインテリジェンスツールは、新しいソフトウェアの活用とITトレーニングにより、すぐに使いこなせる製品となるであろう。
ITは、世界の二酸化炭素排出量の2%を作り出す原因となっている。ITスキルを活用することにより、パワーマネジメントシステムの効率的な設計や二酸化炭素排出量を削減するための新しいサービスの開発など「地球にやさしい」環境を作り出すための重要な要素となっている。
いろいろな機能を持つモバイル機器やクラウドコンピューティング、高品質な音声やビデオのやり取りを可能にするビデオ会議システムなどの新しい機器の出現によって、企業ではコストが削減でき、柔軟で効率的に活用をすることが可能である。いくつかの産業部門では、ヘルスケア関連でRFIDタグ、エネルギーのモニタリングや輸送物へのスマートチケットなど既に導入が進められているものも少なくはない。これに伴い、ITやネットワークアーキテクチャ整備の需要が増え、情報表示方法やトランザクションの処理やサービスなどの保証などといったビジネス革新も起きている。
Economist Intelligence Unit 社から提供されている「 Converging on
the customer: new media for closer relationships, February
2010」レポートでは、世界中のおよそ70%の会社が、1年の間にソーシャルメディアを重要なツールの1つであると考え、92%の会社が、モバイルアプリケーション関連の開発やモバイルを使った調査などを実施するであろうとレポートしている。
また、74%は、売上や収益を上げる機会を生み出す新しいテクノロジーを探していると回答している半面、このうちの半分は、どのテクノロジーがこれらの目標を実現できるのか特定することが難しいと回答している。
ソーシャルネットワークを理解し、使いこなすことは、企業にとり、また政府にとっても必要不可欠となるであろう。
デジタルテクノロジーに囲まれて育った世代の人々は、新しい製品やサービスの顧客であり、次の世代のデジタルIT産業を担う人材である。この世代のニーズを理解するは、成功できるテクノロジービジネスへの近道でもある。また、この世代のスキルを活かすことにより、将来的な国家の繁栄を形作ることができる。
「データ」は、損失時の被害からもわかるように、ビジネスにとって非常に貴重な財産となっている。
Ponemon Instituteが2010年に15カ国で実施した調査結果では、違反などの復旧のための平均コストは、1つの問題を解決するために?500万(\5億5千万)必要になるとレポートされている。また、低下してしまう評価を定量化することは難しいが、信頼を回復するためには何年もの長い時間が必要となる。そのため、「セキュリティ」と「データ保護」は、企業、または政府にとっての成長戦略の中で重要なテーマとして挙げられている。
2009年のe-skillレポートでは、ビジネスと世界経済の成長を促進し、ビジネスの競争力を高めるためには新しいスキルを取得することが必須になると強調している。
テクノロジーや取り組みを変革していくことは、新しいビジネスチャンスを創造しますが、そのためには新しいスキルの取得が必修となる。ITは、これらのビジネスチャンスを得るだけではなく、企業や国家単位で競争力をつけるために不可欠な要素となっている。
従業員のスキルレベルをあげるための努力をしない企業は、このトレンドから取り残されていくことになるであろう。