「ワールドワイドウェブそしてインターネットが次に何を生み出すか」を予測することは、多くのIT専門家にとって無意味であるが避けることができず、人々は、オンラインの次なる可能性について、絶えず興味を示している。浅い歴史ながらも興味深く、展開の早いウェブの発展は、ごく一部分の人の娯楽アイテムから、全世界規模で経済やビジネスの必需品となった。
90年代初頭インターネットがその地位を確立したとき、情報は提供しているものの双方向性に乏しく、固定的なページがその大部分であった。それにも関わらずユーザーは、インターネットに依存し、のちに急激な発展を遂げた。しかし、ミレニアムの変わり目を迎える頃には下降をたどり始めた。
しかしワールドワイドウェブは復活を遂げ、大量のデータストレージが安価で普及されると同時に、ウェブにより、より多くのマルチメディアコンポーネンツの提供され始め、インターネットショップ業者や金融取引の爆発的な普及へとつながった。さらに、ニュースグループやチャットルームのような双方向フォーラムが、従来のウェブページの一部となり(コメントエンジンや、オンラインコミュニティフォーラム、またはSecond
Lifeのように全くのバーチャルワールドのものなど)、ITマーケティングで多く語られる「Web 2.0」または連携性・双方向性のあるウェブサーフィンのネクストジェネレーションへと発展した。
「1998年に現在のようなソーシャルネットワーキングの普及を予想した人はごくわずかで、2002年でさえ、ブログやあるオンラインフォーラムなどで目にする程度だった。」とAbout.comのウェブトレンドガイドのフリーランスライター&編集者Daniel
Nations氏は言う。「実際誰もが MySpaceやFaceBook、YouTube、そしてLinkedlnのようなプロフェッショナルネットワーキングサイトの普及を予測することができなかったでしょう。ウェブというのは、人々が何であるのかを理解した途端、全く予想もできないものに変化するものなのです。」
見慣れたフレームワーク
ウェブアプリケーション開発者が、PDAや携帯電話といったモバイルデバイスに向けに、新しくより小さなウェブページやアプリケーションの作成に取組んでいたのはそう昔の話ではない。しかし、完全なウェブベース体験を提供するAppleのiPhoneや類似デバイスの登場により、開発者の焦点は、再び、より従来に近いウェブのレイアウトや機能性、新たなオプション機能の実相に切り替わることとなった。
すなわち、将来のウェブページは、90年代初頭のインターネットを構成していた「見慣れたウェブフレーム」に依存する可能性があるということだ。絶えず更新されているRSSフィードや、デジタルビデオサムネイルのストリーミング、チャットやコメントエンジン、最新のウェブウィジェットが装備されていたとしても、初期の固定的ウェブページに対するニーズは、今後数年間は存在するであろう。
「Web 2.0またはWeb 3.0と名称が変わっても、新しい要素が既存のウェブに追加されるだけであって、ウェブそのものが新しくなるのではありません。」Nations氏は言う。「従来型のウェブは今後も存在しますが、その活用幅を広げる新たなアプリケーションや機能が追加されるでしょう。」
Nations氏は、現在利用している双方向性ツールの多くは、90年代後半に使用されていたツールを単に機能を追加したバージョンにすぎないと指摘している。彼は今後数年間において、今人々が使っている、必ずしもワールドワイドウェブの一部とはいえないようなオンラインツールが主流になりうることもあり得ると考えている。
その例として、かつてスタンドアローンアプリケーションとして存在していた双方向性ツールであった、チャットルーム、ニュースグループ、email、The
Simsのようなビデオゲームがあり、大規模なマルチプレーヤー・オンラインロールプレイングゲームは、Second
Lifeのようなウェブ上のバーチャールな世界を引き起こした。
ウェブの未来
ウェブページの今後に関して予測できることがあるとすれば、コミュニケーションおよび双方向性の重視であろう。それは、自身の意見や専門知識、または作品を公表したりすることを、ウェブにアクセスすることで容易に意見やアイデア、データを共有したり受信したりすることを人々は好むというWeb
2.0の到来と共に明確になったコンセンサスがベースとなっている。また、ウェブページ開発は今後も継続され、さまざまなウェブサーファーの興味や趣味に応じたウェブ作成の開発が行われるであろう。
「ウェブサイトは、各ユーザー体験をユニークにし、個人個人に対応するような方法で設定がされていくでしょう。」Nations氏は言う。「そうしたウェブサイトが、より優秀なクッキーや、オンライン登録または新手法で作成されるかは今後の課題となっています。既に、コンテンツターゲット型、文脈連動型のオンライン広告を目にしたことがあるでしょう。私は、この分野の開発は今後も続いていくであろうと考えています。」
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