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COVID-19でデジタルトランスフォーメーションが加速した4つのパス(CompTIA米国本部ブログより)

2020/06/30

米国本部ブログ: 4 Ways the COVID-19 Pandemic has Accelerated Digital Transformation


digital-transformation.pngグローバル規模のCOVID-19パンデミックによる混乱に対し、どの企業も取り組みを行っています。多くの地域で刺激策は講じられているものの大きな課題に苦しんでいる企業にとってはわずかな救済を提供するだけです。ウイルスの拡散は多くのビジネスモデルに影響を与え、支出への波及効果は経済全体に影響を及ぼしています。

運用を維持するために、企業は迅速に行動しなければなりません。多くの場合、これはデジタルトランスフォーメーションに関連した活動の優先順位をあげる、または予定より早めるということを意味します。デジタルトランスフォーメーションは、ここ5年間ほどホットな話題でしたが、どの企業にもテクノロジーの導入には独自の文化があるため、依然さまざまなアプローチが存在します。突如、イノベーションは死活問題になり、将来的な目標ではなくなったのです。ここでは、前例のない脅威に対処するため、企業がデジタル活動を加速させることとなった4つのパスを見てみましょう。

work everywhere(場所を選ばない働き方)」を、従業員全体に行き渡らせる
前回のブログでは、リモートワークに即座にシフトした際の具体的な方法についてお話しました。もちろん、リモートワークはすでに行われていましたし、企業は優秀な人材の獲得や、不動産の手間を省くための方法として、リモートワーカーを受け入れていました。しかし、従業員の大多数がほぼ強制的にリモート状況となったことで、未解決の問題に光が当てられることになります。組織は、技術的なニーズに対処するための投資を即座に行い、いかに従業員のエンゲージメントを維持するかといった方法に重きを置くようになったのです。ある程度の制限が解除されると、企業の多くが完全なリモートを続けるわけではありませんが、少なくともホームオフィスに留まる人々のためのより良い機能を構築し始めたようです。

クラウドベースのワークフローにより重点を置く
クラウドコンピューティングは、話題としての輝きを欠いていました。これは、新興テクノロジーが、確立された運用モデルに移行した際に起きることです。しかし、クラウドのすべての疑問が解決されたというわけではありません。CompTIAのクラウドリサーチでは、クラウドコンピューティングの4つの段階を定義していて、その後半部では、アプリケーションの移行から、システムの完全統合、新しいワークフローの作成へと移っていきます。これらのアクティビティは、プロセスが再定義されると問題にもつながりかねませんが、その対価としてオートメーションがより合理化され機能的になるというメリットがあります。すでにプロセスは中断されていてリソースの制約も厳しくなっていることから、こうしたメリットはより魅力的になっています。

新しいセキュリティの脅威に対する認識と対応の構築
時にセキュリティ脅威は小さなものから始まり、脅威のチャンスが増えるにつれ重大なものへと変化します。その例が、単純な通信ツールとして始まり、今では広く導入されるコンピュータシステムとなったモバイルデバイスです。しかし、新しい脅威が一夜にして出現することもあります。COVID-19では、攻撃者は、フィッシングやソーシャルエンジニアリングといった以前の手法に、恐怖やストレスといった要素を使うことに成功したのです。金融に関する情報を要求するメールを不審に思った個人は、(COVID-19の)感染マップが確認できるメールには警戒心が低かったようです。この状況では、セキュリティチームは、対象を絞った教育を実施する、セキュリティツールの新しい構成を追加するといった迅速な対応が必要となります。

必要な変化の規模に対する容認
デジタルトランスフォーメーションの取り組みがゆっくりである理由の一つは、体系化されつつあるからです。それは、新しいツールの追加だけではなく、組織のトランスフォーム(変革)を意味します。そこには、文化的な側面もありますが、アーキテクチャ上の側面も存在します。新しいツールは新たな機能を提供しますが、他のツールへの統合や、適切なインフラストラクチャなしでは限度があります。また企業は、出張や対面のミーティングに替わりビデオ会議を実施しているため、ネットワークをアップグレードしたりサポートオプションを構築したりする必要があります。総保有コストは、決して計算が容易な指標ではありませんが、企業がより戦略的にテクノロジーを使用するにつれて、個々のデバイスやアプリケーションといった投資レベルを超えなければならないという理解をし始めています。

私の同僚のCarolyn Aprilは、CompTIAのポッドキャストにおいて、2008年の景気後退後に成功した企業は、先を見据え、経済が安定したときに違いが生まれるよう変化を起こすことに最善を尽くした企業であったと述べていました。すべての企業が将来に投資したり、明日以降の戦略を構築できるわけではありませんが、学んだ教訓を収集することでさえもテクノロジーのより良い利用につなぐことができます。この危機が過ぎると、経済は再び前進し、かつてないほどデジタル化されるでしょう。