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IT職の未来を予測する(CompTIA米国本部ブログより)

2020/06/17

米国本部ブログ: Predicting the Future of IT Jobs


the-future-of-it-jobs.jpgCOVID-19のパンデミックは、雇用にスポットライトを当てました。数千万もの職が失われ、違いはあるもののどの業界も何らかの形で影響を受けていることは確かです。デジタルオペレーションはビジネスの存続に必要不可欠であり、新しいプロセスを構築することが最良の選択肢であることから、この時期IT関連の職はある程度の弾力性を示しました。パンデミックが始まる前に収集されたデータに基づくCompTIAの Cyberstateレポートは、IT職の今までの軌跡を示し、今後起こり得ることの出発点を示しています。

IT職の10年間の成長
2020 Cyberstatesレポートでは、過去10年間を振り返るパートがあります。2010年から2019年にかけて、すべてのITに関連する職業において、230万もの雇用が創出されました。これは、テクノロジー業界内の全職(IT企業でのセールスや人事などの仕事を含む)に限らず、あらゆる業界におけるすべてのIT専門職を含みます。

上記の2番目にあげた部分、つまりそれぞれの企業におけるITの役割は8割を占めています。これは、あらゆる種類のビジネスにとってテクノロジーの重要性が高まっていることを反映するものです。

過去10年間に増加した具体的な職業を見てみると、いくつかの異なる領域が際立ちます。増加数に関してはソフトウェア開発が最大の勝者であり、504,000の雇用が追加されました。企業は、パッケージ化されたソフトウェアから離れ、より大きなカスタマイズと自動化を目指して独自の開発を行うようになっています。

次に大きい増加数はITサポートであり、265,000もの雇用が創出されました。ITキャリアの典型的な出発地であるITサポートは、依然として需要が高く、CompTIA A+認定資格は、この業務に必要なスキルを構築するための証明されたツールとなります。

増加率に関しては、サイバーセキュリティアナリストは134%と大幅な成長を見せました。10年間の当初は、専任のサイバーセキュリティスペシャリストは大規模組織でのみ見ることができました。

しかし、サイバーセキュリティがデジタルビジネスの運用に欠かせないものとなったことで、より多くの組織が自社や顧客データを保護するための特定スキルに投資するようになります。こうした移り変わりに対応するため、CompTIAでは脅威インテリジェンスやペネトレーションテストなどの新しいスキルを扱う包括的なサイバーセキュリティ認定資格の構築を行ったのです。

IT職の未来
未来を予測することは一筋縄ではいかない課題であり、この環境では不可能に近いでしょう。多くの不確実性が不正確を引き起こし、状況は常に変化しているため安定したデータ収集は困難となります。しかし、一定の推測については、昨日の動向や明日の重要ニーズに基づいて行うことができます。

ITキャリアのハブであるDiceのレポートでは、2月3月の求人情報を調べ、雇用者が採用の優先順位をどのようにシフトしているかを非常に早期の段階で確認することができました。IT職は他の職と比較して、回復の兆候をまだ見ることができたのです。

スキルに関しては、Diceレポートでは「雇用者は、会社のテクノロジーインフラストラクチャの維持と移行に貢献することのできるスキルに関心を持っている」と述べています。こうした業務は、現代ITの二つの要素である:戦術と戦略に関連します。CompTIAのリサーチ「Using Strategic IT for Competitive Advantage ~競争優位を生み出す戦略的ITの活用~」において解説していますが、これら二つの要素は、ITの過去と未来の橋渡しとして機能します。

クラウドや新興テクノロジーに重視したことで、従来のインフラストラクチャの役割から注目をそらしがちでしたが、それらはデジタルトランスフォーメーションの基盤に変わりありません。

Diceレポートは、Linux、UNIX、システムエンジニアリングなどのインフラストラクチャスキルが、2020年第1四半期の求人に最も見られるスキルとしてランクインしていることを示しました。さらに、システムエンジニアリングは、企業がパンデミックの影響に対処し始めた2月から3月の間に、最大の需要増加が見られました。

最も基本的なレベルであっても、テクノロジーの維持はほとんどの企業において最優先事項です。BYODがもたらす可能性と、技術に精通した従業員の増加により、テクサポートやヘルプデスクの役割が衰退するのではないかと考える人もいます。実際は、テクノロジーに対する企業の意欲の高まりから、インフラストラクチャからサイバーセキュリティまで、テクノロジーのあらゆる側面に精通するITプロフェッショナルの需要が高まっています。

企業はCOVID-19による混乱の対応に追われているため、過去10年間のテクノロジー業界に見られた力強い成長はわずかに減速する可能性があります。しかし、現在の運用はデジタルツールに依存しており、将来戦略のためのデジタルトランスフォーメーションは加速することから、ITインフラストラクチャのスキルは引き続き最優先事項となるでしょう。