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ITフレームワークで起きている4つの変化(CompTIA米国本部ブログより)

2020/09/24

米国本部ブログ: 4 Shifts Taking Place in the IT Framework


it-pillars.pngCompTIAは2016年に「A Functional IT Framework ~IT業務に必要な4つのスキルの柱~」に関するホワイトペーパーを公開しました。このホワイトペーパーでは、CIOおよびITリーダーにインタビューを行い、近年のIT運用に取り入れられた主要な要素を見出しました。そこでは、IT業務を4つの柱に分類しています。

Infrastructure(インフラストラクチャ): 最も古い柱で、ITの基盤を構成するハードウェアとソフトウェアを扱います。

Development(開発): ソフトウェアのエンジニアリング活動であり、企業がパッケージソフトウェアからカスタムアプリケーションに移行していることから、ますます重要となっています。

Security(セキュリティ): 当初はインフラストラクチャの一部でしたが、デジタルビジネスへの移行と現場の複雑化により、今では独立した分野です。

Data(データ): 最も新しい柱で、様々な情報源から収集される企業データの管理、分析、可視化に重点が置かれます。

もちろん、ほとんどの企業に領域ごとに明確な部門があるわけではありません。しかし、このフレームワークは、デジタル組織を推進するスキルセットとプロセスを明らかにする上で有効です。過去18か月間において、デジタルトランスフォーメーションの取り組みは、4つの柱それぞれに新たな資質をもたらしました。その進化は、企業を迅速な対応へと追い込んだパンデミックにより加速します。今日では、各領域が次の10年間のテクノロジー戦略に備えてどう変化したのかを明確に見ることができます。

Infrastructure(インフラストラクチャ)
クラウドは、ここ数年ITインフラストラクチャで広く受け入れられているコンポーネントとなりました。アーキテクチャを構築する明確な選択肢として「クラウドファーストであるべき」というマインドがありますが、これは、アプリケーションとシステムの100%がクラウドにあるべきということではありません。複数のクラウドベンダーにまたがる要素やオンプレミスのままの要素など、マルチクラウド環境が大半の企業における現状であるというのが、ここ数年間におけるCompTIA調査の予測です。しかし、クラウドを開始点として使用し、必要に応じて他のオプションに移行することは、柔軟性と復元性の点においても最良の選択肢です。多くのITチームにとって、クラウドはもはやケースバイケースで検討する選択肢ではなくなりました。すでに生活の一部となっているのです。

Development(開発)
企業が既存アプリケーションの使用のみにとどまらず、自社開発を始めた主な理由は「カスタマイズ」と「オートメーション」でした。この2つの理由はこれまで以上に重視され、組織は開発のメリットを可能な限り広げたいと考え、幅広い開発活動を行っています。参入へのハードルは、オープンソースとマイクロアーキテクチャで下がったように、ローコード/ノーコードでさらに低くなっています。必要に応じて、様々な技術スキルを持つ従業員は、コマンドラインではなくフローチャートに似たツールを使い、データベースや自動オートフローを簡単に構築することができます。これらすべての活動を構造化することは、将来の大きな課題となるでしょう。

Security(セキュリティ)
長年に渡り、私たちは現代のセキュリティの特性を定義してきました。企業にとって最大の変化の一つは、セキュアペリメーターの崩壊であり、その結果、彼らはテクノロジーのツールボックスを拡張し、セキュア運用を定義するためのプロセスを構築し、従業員全体を教育してきたのです。これらの活動の多くは断片的であり、企業はどの投資を行い、どう成功を測定するか悩んできました。近年、すべてのセキュリティ活動に基本的アプローチを提供するフレームワークが登場しました。セキュリティのゼロトラストモデルは、いまだに残る「セットして終わり」という考え方を完全に覆します。すべての活動は検証されなければならない、という考え方が新しいテクノロジーやプロセス、教育の原動力となります。CompTIAのState of Cybersecurity調査では、この変化をさらに詳しく見ていきます。

Data(データ)
4つの柱に関連する微妙な変化が、データの分野で起きています。企業は未だ、データの扱い方に関する規律を整備しています。それが専任担当の確保や、組織全体における計画的な打ち合わせを意味しようと、その活動の多くは、意思決定の向上を目的としたデータ改善に向けられています。しかし、データは徐々に実際のビジネスの生産物へと組み込まれています。これを見るのに最適なのが、「IoT」の部類に入る幅広い製品の数々です。これらの製品は、ベンダーが顧客について知り今後を計画するためのデータだけではなく、製品の機能をリアルタイムで変更するためのデータも収集します。今後、企業はデータ主導の意思決定から、データによって改善されたサービスへと移行します。

ITの最も基礎のレベルで起きているこれらの変化は、まさに将来のステージを構築しています。そして、企業がこの基礎の上にどう構築していくかは、リサーチチームの主な焦点となっています。テクノロジーの軌道や、今後発表されるIT Industry Outlookレポートでは、ビジネスを前進させるトレンドとベストプラクティスを扱います。予算から人材のスキル、パートナーリングまで、フレームワークにおける変化は今後数年で大きな影響を与えるでしょう。