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CompTIA IT Industry Outlook 2021: 未来に向けた再構築(CompTIA米国本部調査)

2020/11/18

~CompTIAは、2021年に注目すべき10のトレンドを特定~

2020年 パンデミック禍の対応から、IT業界はデジタル社会の中枢的役割を担うことが明らかとなった。こうした影響を受け、2021年のIT業界には変化が見られることがCompTIA IT Industry Outlook 2021で分かった。

CompTIAおよびITプロフェッショナルによる年次レポートは、2021年の業界、ワークフォース、そしてビジネスモデルを形作るトレンド(動向)に関する洞察を提供する。

「2020年に経験した混乱、分裂、不確実性は、2021年に波及効果をもたらしますが、業界は、元の状態に戻すためではなく、より良いより明るい未来のために再建する準備ができていると確信しています。」と、CompTIAの業界分析シニアディレクターAprilは言う。

「今年は社会を変える変化が加速したことから、デジタル運用の決定的な重要性については疑う余地はありません。しかし、テクノロジーへの脚光が強まるにつれ、他の問題に焦点が当てられるようにもなりました。それには、より多様で、公平かつ包摂的な成長を目指すべき業界の責務や、テクノロジーの影響力と範囲が新しい政府規制の対象となるか否か、といった事が含まれます。」CompTIAのテクノロジー分析シニアディレクターRobinsonは言う。

2021年に注目すべき10のトレンド

1. ノーマルは存在しない - 確立されたパターンの概念は、企業にとってより定義が困難に。従業員の職場からサプライチェーンの構成、顧客の要求にいたるまで、多数の選択肢を調整する必要がある。

2. クラウドが君主 - 組織は、ITインフラストラクチャの構築またはアップグレードに関して、「クラウドファースト」の考え方を採用する。

3. チャネルは、顧客の変化に対応 - 顧客が不確実な時代を乗り越えていくなか、チャネル企業が提供する柔軟性にかつてないほどニーズが高まっている。

4. チャネルの力学がより均衡に - ベンダーとパートナーの関係は、クラウドを主な仲人として対等な関係となる。

5. 新興テクノロジーがビジネスソリューションでの地位を確立 - 組織は、クラウドやモバイルに構築したプラットフォーム上に、ソリューションを構築することに全力を傾けている。

6. ゼロトラストがサイバーセキュリティの取り組みを形作る - すべてが、サイバーセキュリティのプラクティスをつくる新たな枠組みとなる。

7. マネージドサービスプロバイダがより深いサイバーセキュリティ専門知識を構築 - より多くのMSPが、セキュリティを中心にビジネスを再定義し、高度なサービスを追加する。

8. テクノロジー業界が規制に備える - その影響は、業界の巨人から小さなチャネル企業にいたるまで、受ける可能性がある。

9. ビジネスの会話で、ITプロのビジネススキルが必要に - ヘルプデスクへの左遷はなくなり、ITプロフェッショナルの専門的スキルの必要性が協調される。多くの場合で必要となる。

10. 企業は、多様性の公的な目標を設定 - 企業は、認識(awareness)を超え、公的かつ認証可能な成果物を用いて、説明責任(accountability)に移行する時が来ている。


慎重な楽観主義の時代

CompTIAのIT Industry Outlook 2021では、テクノロジー企業のエグゼクティブや、ITプロフェッショナルの視点からみた来年の見通しも含まれる。

企業は来年、より多くのサービス提供、新興テクノロジーへの積極的な関与、垂直市場での機会の模索、サイバーセキュリティの専門知識の重視、といったことで彼らのビジネスモデルを変えるとしている。これらは、2020年の困難な環境から立て直すためのプランの一部である。60%強の企業が、COVID-19パンデミックがビジネスに悪影響を及ぼしたと述べている。

2021年の見通しについて尋ねたところ、37%の企業が、2020年および2019年を超える収益の増加を見通している。25%は、2020年の水準で収益の安定を見通すも、一部パンデミックの影響により2019年以下になる可能性のある企業もある。約4分の1が、今年の収益損失を示すが、2019年の水準に戻ることを期待。支出に関しては、10社に4社は2020年水準を維持、4分の1はやや高く、13%はやや低くなるであろうと回答した。

このような曖昧な印象は、ITプロフェッショナルの回答にも見られる。約80%が、技術者としての役割に満足していて、その大多数は、ビジネス戦略に対するテクノロジーの重要性に牽引されたスキル需要から、明るい見通しをしている。しかし、テクノロジー支出に対する不確実性が存在する。44%が、予算が少なすぎると感じていて、より少ない予算でより多くのことを求められる可能性が高いことを認識している。実際、10社に3社が既存スタッフを再教育することで、欠員補充や、新しい重点分野に取り組んでいる。

本レポートには、業界のパンデミックに対する対応、2021年の従業員に対する支援計画、雇用計画と基準、政府規制の潜在的な影響に関する洞察が含まれる。

CompTIA IT Industry Outlook 2021は、CompTIA米国本部サイトより無料にてダウンロードが可能。
https://www.comptia.org/content/research/it-industry-trends-analysis